「投資を先にしたら、マイホームが買えなくなるって本当?」
将来、家族で住む理想のマイホーム。
それを思い描きながら、投資用物件で家賃収入も得たい…そう考える方は少なくありません。
でも、ネットを調べていると見かけるこのフレーズ。
「不動産投資をするとマイホームが買えなくなる」
…これ、本当なのでしょうか?
結論から言うと、「投資をしたら必ず買えなくなる」わけではありません。
ただし、順番や資金計画を間違えると、住宅ローンの審査に落ちる可能性があるのも事実です。
この記事では、住宅ローンと不動産投資ローンの関係や、よくある失敗例、マイホーム購入を見据えた戦略までやさしく解説していきます。
不動産投資がマイホーム購入に影響する理由
では、なぜ「マイホームが買えなくなる」という話が出てくるのでしょうか?
主な理由は以下の2点です。
① 返済負担率が上がる
住宅ローン審査では、年収に対する「借金の返済比率(返済負担率)」がチェックされます。
すでに投資用ローンを抱えていると、住宅ローンの審査時に「他にも借金がありますよね」と判断されるのです。
いくら家賃収入があっても、「返済が多い人」という評価になり、マイナスになることもあります。
② 投資用ローンと住宅ローンは「別物」
実は、不動産投資のローンと、マイホームの住宅ローンは全くの別物です。
項目 | 住宅ローン | 投資用ローン |
---|---|---|
金利 | 低い(0.3〜1.5%) | 高い(2〜4%) |
目的 | 自分が住む | 他人に貸す |
審査 | 緩め | 厳しめ |
融資期間 | 長め(35年など) | 短め(15〜25年) |
住宅ローンは「自分の住まいを持つ」という目的があるため、国の支援も厚く、金融機関も積極的に融資します。
一方、投資用ローンは「ビジネス目的」なので、収支・返済比率・担保評価などが厳しく見られるのです。
実際に困った事例|投資を先にしたらマイホーム審査に落ちた話
ある30代の会社員Aさんは、年収700万円。
築古アパートを1棟購入し、月15万円の家賃収入を得ていました。
しかし、いざマイホームを購入しようとしたとき、住宅ローン審査に落ちてしまいました。
理由は、
- 投資ローンの返済が年150万円あり、返済負担率が高く見られた
- 築古アパートの赤字経営で、手元のキャッシュが少なかった
というものでした。
投資物件が「資産」ではなく「リスク」と評価された瞬間です。
マイホームが買えなくなる前にできる5つの対策
1. 投資用ローンは返済比率を意識して組む
借入額が年収の30〜35%以内に収まるように設計することで、住宅ローン審査への影響を軽減できます。
2. 投資物件は「収支が黒字」になるようにする
赤字の物件は金融機関にとってマイナス材料。きちんとキャッシュフローが出ていることが大切です。
3. 投資ローンを完済してから住宅ローンを申し込む
難しい場合もありますが、小規模物件であれば、完済→マイホーム購入の順も有効です。
4. 住宅ローンを先に組んでから投資を始める
どうしてもマイホームが欲しい方は、**「先に自宅を買ってしまう」**のが鉄則。
住宅ローン審査が通りやすいうちに済ませておきましょう。
5. 金融機関の選び方を変える
都市銀行が厳しくても、地銀や信用金庫は「家族構成」や「勤務先」を重視してくれることも。
複数の銀行に相談してみるのも手です。
マイホームと不動産投資、どちらを先にすべき?
これは正解がありませんが、以下のように整理して考えると良いでしょう。
先に買うのがオススメな人 | 先に始めるべきこと |
---|---|
結婚・出産が近い人 | マイホーム |
将来は海外移住したい | 投資物件 |
今の職場が安定している | マイホーム(住宅ローン有利) |
資産を早く増やしたい | 不動産投資 |
将来の住まいがどれだけ大切か、家族との時間を優先するのか、それとも今は資産形成を優先するのか。
あなたのライフプラン次第で、答えは変わります。
まとめ|住宅ローンと投資ローンの仕組みを理解して、損しない判断を
不動産投資をすることでマイホームが買えなくなるわけではありません。
ただし、住宅ローンの仕組みと、金融機関がどう判断するかを理解しないまま突き進むと、希望のマイホームが遠のいてしまう可能性も。
「順番」と「戦略」がすべてです。
不動産投資も、マイホームも、どちらもあなたと家族の人生を豊かにする大切な選択。
しっかり計画を立てて、後悔のない決断をしましょう。
コメント