「タバコのヤニ汚れは借主負担?」
「ペットが引っかいた壁や床、誰が直すべき?」
原状回復でトラブルになりがちなのが、タバコとペットに関する損耗です。
この記事では、よくある事例と、実際の判例をもとにどこまでが借主負担なのかをわかりやすく解説します。
タバコによる汚れや臭いの責任
原則:借主の「過失」と判断されやすい
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クロスの黄ばみやヤニ臭は、通常損耗とは見なされないケースが多いです。
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タバコは「借主の嗜好による行為」とされ、汚れがひどい場合は故意・過失扱い。
借主負担になった判例例
▶️ 壁全面がヤニで変色 → クロス全張替え+脱臭費用の請求が認められた
▶️ 窓・換気なしで喫煙し続けた → 通常損耗ではないと判断
対策:契約書に「禁煙」「喫煙可」の明記を
近年は「禁煙物件」が増えており、契約書で明確に禁止されている場合は全額請求されるリスクが高まります。
ペットによる損傷と原状回復
ペット可物件でも「原状回復義務」はある
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「ペット飼育OK」だからといって、傷や臭いまで許容されるわけではありません。
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フローリングの引っかき傷や尿による腐食、臭いなどは借主負担となる可能性が高いです。
借主負担となる典型例
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フローリングの広範な損傷 → 張替え費用請求
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畳の染み・臭い → 表替えや本体交換の費用請求
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壁紙の剥がれ・破れ → クロス張替え費用
判例例:ペットによる損傷が認定されたケース
▶️ 飼い犬が室内でマーキングを繰り返し、床下まで腐食 → 借主に約20万円の負担命令
▶️ キャットタワーで壁紙が破れた → 借主の過失と認定
注意点|原状回復の範囲を巡る誤解
よくある誤解
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「入居時よりキレイにする必要はない」
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「自然な使用による汚れは原則オーナー負担」
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「ただし、タバコ・ペットは“自然な使用”に含まれにくい」
原状回復ガイドラインでは、特に「喫煙・飼育に関する条項」は契約書記載の有無で大きく判断が分かれるとされています。
トラブル回避のために
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喫煙やペット飼育の有無を契約時に正確に申告
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入居時・退去時の状態を写真で記録
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消臭・清掃・補修が必要になりそうな箇所は事前に対策
まとめ
タバコとペットによる損耗は、「借主の責任」と判断される可能性が非常に高いです。
特に「臭い」「見た目」「機能の劣化」に関する損傷は、原状回復の対象として費用請求が認められることが多いため、注意が必要です。
日頃の使い方と、契約書の確認・証拠の保全が、原状回復トラブルの最大の予防策です。
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