退去時、「えっ、こんなにかかるの?」と驚くこともある原状回復費用。
中には、相場を超える高額請求や、根拠のない一式見積もりが提出されることも。
この記事では、高すぎる原状回復費用への交渉方法と、トラブルを回避するための再見積もり・拒否の手順を詳しく解説します。
よくある原状回復トラブルの実例
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見積書に「一式 ○○万円」とだけ記載されている
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クロスや床材の全面張替えを請求された
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通常使用の汚れなのに全額借主負担とされた
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「見積もり拒否は違約金」と圧力をかけられた
このようなケースでは、冷静に対応しないと本来不要な費用まで支払うことになりかねません。
高額請求時の交渉ポイント
① 請求内容を「細かく」確認する
見積書が「一式」でざっくり書かれていたら要注意。
以下のような内訳を要求して構いません。
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どの部位に対していくらかかっているのか
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材料費と工賃の分離
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負担割合の根拠(経年劣化 vs 借主責任)
② ガイドラインと照らし合わせて反論する
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」には、費用負担の判断基準が明確に記載されています。
例:
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クロスは6年で価値がなくなる(耐用年数)
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経年劣化は借主負担にできない
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タバコ汚れ・ペット損傷は借主負担になりやすい
③ 再見積もりを依頼する
納得できない場合は、**第三者業者による見積もり(相見積もり)**を取りましょう。
原状回復に強いリフォーム業者などに依頼するのがポイントです。
拒否・交渉時の注意点
拒否しても「契約違反」にはならない
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原状回復費用は協議で決まるものであり、一方的な決定に従う義務はありません。
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「まずは納得いく説明がほしい」という姿勢で交渉しましょう。
強気に出られたら?
「遅延損害金が発生する」「敷金は返さない」などと迫られるケースもありますが、支払う義務があるのは“正当な請求”に対してだけです。
原状回復費用の相場を知っておく
おおまかな相場を把握しておくだけでも、防衛力は大きく変わります。
部位 | 相場の目安(6畳) |
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クロス張替え | 約2〜3万円 |
床補修 | 約1〜3万円 |
清掃費 | 約1〜2万円 |
これを大幅に超えている場合は、要交渉です。
トラブルになったときの対応先
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消費者センター(無料相談あり)
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弁護士(初回無料相談を実施しているところ多数)
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賃貸トラブル専門のNPOや支援団体
まとめ
原状回復費用は、請求された額をそのまま払う必要はありません。
中身を精査し、ガイドラインを武器に交渉すれば、適正な範囲まで費用を抑えることができます。
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一式見積もりにはNO
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ガイドラインで事実確認
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納得できない場合は相見積もり
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冷静に、記録を残しながら対応
これが、トラブル回避の黄金ルートです。
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