目次
はじめに|「不動産のPLって何?難しそう…」と思っていませんか?
アパート経営を始めると、「損益計算書(PL)」という言葉をよく耳にします。
これは企業だけでなく、不動産経営でも“経営の成績表”として非常に重要な書類です。
この記事では、アパート経営における損益計算書の基本構造・作成手順・初心者向けの記入例・テンプレート付きで分かりやすく解説します。
1. 損益計算書(PL)とは?アパート経営で使う意味
✅ 定義
「一定期間の収入と支出をまとめて、“いくら利益が出たか”を示す書類」
用語 | 内容 |
---|---|
PL(Profit & Loss Statement) | 損益計算書(収支を記録) |
BS(貸借対照表) | 資産・負債・純資産を記録(法人や青色申告65万控除で必要) |
✅ PLは、収支の健全性・節税戦略・銀行融資の資料としても活用されます。
2. アパート経営における損益計算書の構成
項目 | 内容 |
---|---|
総収入 | 家賃・共益費・駐車場収入など |
経費 | 管理費・修繕費・火災保険・広告費など |
減価償却費 | 建物や設備の帳簿上の経費(実際の支出なし) |
営業利益(税引前) | 総収入 − 経費 − 減価償却費 |
税金(所得税・住民税) | 所得に応じて算出 |
最終利益 | 営業利益 − 税金(税引後の利益) |
3. 損益計算書の作成ステップ(手書きでもExcelでもOK)
✅ ステップ①:収入を記録
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家賃・駐車場・共益費など
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税込み/税込外は会計方針に合わせて統一
✅ ステップ②:経費を分類して記録
主な経費項目 | 補足 |
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管理委託費 | 家賃×3〜5%が目安 |
修繕費 | 給湯器交換・壁紙など |
広告費 | AD(仲介業者への謝礼)・募集図面作成費 |
税金・保険 | 固定資産税・火災保険 |
税理士報酬 | 申告書作成・相談料など |
✅ ステップ③:減価償却費を算出・計上
-
建物:取得費用 × 建物割合 ÷ 耐用年数
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設備:10万円以上で耐用年数に応じて計上
✅ ステップ④:収入 − 経費 − 減価償却 = 利益
→ 税引前利益が出たら、所得税・住民税の試算も行う
4. 初心者向けの記入例(年間PL)
項目 | 金額 |
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家賃収入 | 2,400,000円 |
管理費 | −120,000円 |
修繕費 | −150,000円 |
保険・税金 | −100,000円 |
広告費 | −50,000円 |
減価償却費 | −400,000円 |
税引前利益 | 1,580,000円 − 400,000円 = 1,180,000円 |
税金(概算) | 約160,000円 |
最終利益(税引後) | 約1,020,000円 |
✅ 減価償却で帳簿上の利益を圧縮し、実際の手残り(キャッシュフロー)を最大化できる
まとめ|損益計算書を使いこなせば「経営の視野」が一気に広がる
アパート経営は、
✅ 感覚ではなく「数字」で判断することが成功の鍵。
✅ そのベースになるのが「損益計算書(PL)」です。
・収入と支出のバランスを把握する
・節税・黒字経営・資金繰りを見える化する
・将来的な売却や融資の判断材料になる
毎年しっかりとPLを作成し、“投資家としての視野”を身につけましょう。
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