退去時の原状回復費用は、ケースによっては火災保険や保証会社によって補償される可能性があります。
しかし、「どこまでが補償対象になるのか?」「どうやって申請するのか?」は、意外と知られていません。
この記事では、火災保険・保証会社それぞれの補償内容や注意点をわかりやすくまとめました。
原状回復と火災保険の関係
火災保険は「火災」だけでなく、実は多くのトラブルをカバーする補償が含まれています。
✅ 対象となる主な補償例
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水漏れによるフローリングの損傷
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台風によるガラス破損
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給排水設備の事故で下の階に損害を与えた場合
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借家人賠償責任保険・個人賠償責任保険による補填
✅ 借主が使える特約
賃貸契約時に火災保険に加入している場合、以下の特約が付帯していることがあります。
特約名 | 内容 |
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借家人賠償責任特約 | 借主の過失で部屋を損傷した場合の補償(最大1,000万円以上の場合も) |
修理費用補償特約 | 原状回復にかかる修繕費を一部負担 |
個人賠償責任補償 | 他人や他室に損害を与えた場合の補償 |
火災保険で補償されないケース(注意点)
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経年劣化による損耗(自然な消耗)
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通常の掃除不足・タバコ・ペットの臭いなど
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借主の過失とみなされない自然災害以外の軽微損傷
→ あくまで“事故”や“突発的損害”が対象であり、「普通の退去費用」は対象外のことが多いです。
原状回復と保証会社の対応
保証会社とは、賃料の滞納時などにオーナーの代わりに支払う「連帯保証人の代替制度」です。
一部の保証会社では、退去費用や原状回復費用に関する代位弁済に応じる場合もあります。
よくある対応ケース
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敷金で足りない原状回復費用を立て替え → 借主へ請求
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費用の妥当性を第三者的に判断 → 一部支払いを拒否
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トラブル発生時に間に入って調整(事務対応)
保険・保証を使う際のポイント
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契約時の保険証券を必ず保管すること
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事故が起きたらすぐに保険会社・管理会社へ連絡
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被害状況をスマホで写真撮影しておく(証拠)
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補償対象かどうかは“保険会社の判断”になる
申請の流れ(火災保険の場合)
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管理会社・保険会社に連絡し、事故状況を説明
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指示された書類・写真を提出
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修繕費見積もりを取得
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審査→承認されれば補償額の振込
※保険の種類・会社によっては、書類の書き方や証拠の要件が異なるため注意しましょう。
まとめ
原状回復費用がすべて自己負担になるとは限りません。
火災保険の特約や保証会社の対応によって、一部費用をカバーできる可能性があります。
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契約時に「どの特約がついているか」を確認
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事故や破損は写真で記録し、すぐ申請
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対象外となるケースもあるため、事前に問い合わせることが安心への第一歩
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