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はじめに|「保険料って経費にしていいの?」という素朴な疑問
アパートを所有すると、火災保険への加入はほぼ必須です。
火災、落雷、風災、水漏れなどに備えることで、万が一の損害から資産を守る役割を果たします。
ではその火災保険料、確定申告で経費にできるのでしょうか?
この記事では、アパート経営における火災保険の経費処理の方法や注意点、減価償却との関係や仕訳のポイントまで、初心者にも分かりやすく解説します。
1. 結論|火災保険料は経費にできる
✅ 条件:事業用(賃貸用)物件であること
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自宅兼用ではなく、賃貸物件(貸家)にかかる火災保険
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法人・個人事業主いずれでも経費計上可能
✅ 経費として認められる費用例
費用項目 | 内容 |
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火災保険料 | 建物にかかる保険掛金(損害補償) |
地震保険料 | 火災保険とセット加入での付帯保険(別記事で詳述) |
家財保険料 | 家具・設備の補償(オーナー側の所有分) |
保険更新料 | 再契約時の費用、手数料 |
2. 経費計上のタイミングは「支払時 or 按分」
保険期間 | 経費処理方法 |
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1年契約 | 支払時に全額経費(支払年に一括処理) |
2年以上の契約 | 契約期間で「按分」して各年ごとに経費計上 |
✅ 例)10年契約の火災保険(10万円)
→「長期契約=節税になる」は誤解。毎年按分処理が必要です。
3. 経費にするために準備しておくべき書類・記録
書類 | 用途 |
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保険契約証書 | 保険会社・対象物件・契約年数・金額が明記されたもの |
領収書・振込控え | 実際に支払った証拠として添付 |
仕訳帳・帳簿 | 経費処理した記録(クラウド会計ソフトもOK) |
4. 火災保険の経費処理に関する注意点
❌ 自宅用や私的用途の保険料を経費にしない
→ 完全に業務用(賃貸物件)でなければ経費不可
❌ 借主が加入している保険は対象外
→ 入居者負担の保険はオーナーの経費にはならない
❌ 法人化している場合の契約名義にも注意
→ 個人名義の保険を法人で経費にするのは基本NG(契約者=法人名義が必要)
5. 保険料を経費にしつつ「損害時の非課税補償」も活かす
火災保険の保険金は、支払時には非課税扱いとなる(損失補填のため)ため、
支払った保険料を経費にしておきながら、万が一の際には非課税で保険金を受け取れる=節税とリスクヘッジの両立が可能です。
まとめ|火災保険は「守りの経費」でもあり、「節税の味方」
アパート経営では火災保険料はれっきとした必要経費として認められます。
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年単位での支払いはその年に一括計上
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複数年契約は按分処理を忘れずに
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自宅や私用部分との区別・名義・書類の保存が重要
「何となく支払っていた火災保険」も、正しく処理することで節税に貢献する経費になります。
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