目次
はじめに|「1年でいくらかかる?」を知らずに黒字経営はできない
アパート経営では、物件を買うと毎月家賃が入る一方で、年間を通じて様々な経費が発生します。
でも「実際、1年でどれくらいかかるの?」という疑問に対し、正確に把握できているオーナーは意外と少ないものです。
この記事では、アパート経営の年間経費を項目別に整理し、収支予測やキャッシュフローシミュレーションに役立つランニングコストの実態を解説します。
1. アパート経営の年間経費一覧【主要項目】
項目 | 内容 | 年間費用の目安 |
---|---|---|
管理委託費 | 管理会社への報酬(家賃の3〜5%) | 家賃600万円 → 約18〜30万円 |
修繕費 | 原状回復・給湯器交換など | 1戸1万〜3万円(6戸=6万〜18万円) |
広告費(AD) | 空室発生時の募集費用 | 年2室 × 家賃1ヶ月=12万円(想定) |
火災・地震保険料 | 2〜10年契約で按分処理 | 年1万〜3万円 |
固定資産税・都市計画税 | 自治体からの税金 | 年20万〜40万円(エリアと評価額による) |
水道光熱費 | 共用部の電気・ポンプなど | 月2,000円 × 12ヶ月=2.4万円 |
会計・税務費 | 税理士報酬・会計ソフト利用料など | 3万〜15万円/年 |
✅ 合計イメージ(6室アパート・家賃月10万円 × 6室の場合)
2. 経費のうち「突発的に発生する」費用とは?
項目 | 発生タイミング | 目安額 |
---|---|---|
給湯器交換 | 約10〜15年周期 | 1台10万〜15万円 |
外壁塗装 | 約15〜20年周期 | 一棟80万〜200万円 |
屋上防水 | 約20年周期 | 一棟50万〜100万円 |
エアコン交換 | 入居者からの要望など | 1台6万〜12万円程度 |
🟢 長期修繕計画を立て、**月々積立しておく(1室あたり月3,000〜5,000円)**のが理想です。
3. 経費の変動に備える「予測と管理」のポイント
✅ 家賃収入に対する経費率を設定する(目安:20〜30%)
→ 実質利回りを把握するためにも、年間経費を収入の25%として試算すると安全
✅ 空室率と広告費の想定を必ず組み込む
→ 1年で2室退去、AD2ヶ月分+清掃+原状回復で年間10〜15万円の想定が妥当
✅ 節税可能な経費は優先的に反映する
-
減価償却費(現金支出なしで経費に)
-
青色申告控除(最大65万円)
-
専従者給与(家族に給与支払い可)など
4. 年間経費をExcelやクラウドで“見える化”して管理
ツール | おすすめ用途 |
---|---|
Excel・Googleスプレッドシート | 年間収支表・修繕積立計画の作成に最適 |
会計ソフト(freee・マネーフォワード) | 自動仕訳・クラウド保存・e-Tax対応 |
ノート&手書き | 小規模物件・アナログ派に◎(記録は正確に) |
まとめ|年間経費の把握が「収支安定のカギ」になる
アパート経営は、家賃収入だけで判断せず、
✅ 管理費・修繕費・税金・広告費などの**“出ていくお金”を1年単位で予測**することが大切です。
-
経費一覧を把握し
-
月ごとの積立と予算化を行い
-
キャッシュフローに余裕を持った運営をする
これが、長期的に安定したアパート経営の土台になります。
コメント