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はじめに|「建てるならいくら必要?ざっくりでも知っておきたい」
土地付きアパートではなく、「土地を活用してアパートを建てたい」「新築で収益物件を一からつくりたい」と考える方も増えています。
しかし、新築は中古と違って価格の目安が分かりづらく、
**「建物だけでいくら?諸費用は?設備グレードでどう変わる?」**など、具体的な費用感が見えにくいのが実情です。
この記事では、アパート建築費の相場と内訳、新築計画で押さえるべきポイント、予算オーバーを防ぐコツをわかりやすく解説します。
1. アパート建築費の相場はどれくらい?
構造 | 建築費の目安(税抜) | 備考 |
---|---|---|
木造(2階建) | 約50万〜70万円/坪 | 一般的なアパート構造。安価で利回り重視向け |
軽量鉄骨 | 約70万〜90万円/坪 | ハウスメーカー系に多い。長期保証付きもあり |
RC(鉄筋コンクリート) | 約90万〜130万円/坪 | 3階建以上・防音・耐久性重視タイプ |
✅ 参考シミュレーション(木造2階建 6戸タイプ/延床60坪)
2. アパート建築費の内訳を分解するとこうなる
費用項目 | 内容 | 目安割合 |
---|---|---|
本体工事費 | 建物そのものの建築費 | 約70% |
付帯工事費 | 外構・給排水・電気引込など | 約10〜15% |
設備費 | ユニットバス・キッチン・エアコン等 | 約10% |
設計・管理費 | 設計士・施工管理報酬 | 約5% |
諸費用 | 登記・火災保険・住宅性能評価など | 約3〜5% |
✅ 本体価格だけ見ずに「トータル費用」で比較することが大切です。
3. 建築費が高くなりやすい条件とは?
条件 | 理由 |
---|---|
都市部・地価が高い | 建築会社の人件費・運搬コストが高くなる |
変形地・傾斜地 | 設計調整・基礎工事費が割増になる |
高級仕様・過剰設備 | 浴室乾燥機・宅配ボックス・IoT設備などは追加費用あり |
外構・駐車場が広い | 土間コンクリート・造園・車止めなど費用がかさむ |
4. 建築費を抑えるコツと注意点
✅ コツ①:複数社からプランと見積もりを取る(相見積もり)
→ 同じ坪数でも数百万円の差が出ることも
✅ コツ②:長期修繕費を意識してシンプルな設計に
→ 凝ったデザインより管理・修繕しやすさを重視
✅ コツ③:標準仕様でも入居率は工夫でカバー可能
→ 「アクセントクロス」「照明」「ネット無料」などソフト対策で印象UP
5. 建築前に必ずやっておきたい2つのシミュレーション
▶ シミュレーション①:実質利回り
→ 表面ではなく、経費や空室率も加味した収支が現実的
▶ シミュレーション②:ローン返済計画
→ 月々の返済 < 想定家賃収入 − 経費 を必ず確認
→ 金利上昇・空室2室・修繕年ありの条件で黒字になるか?
まとめ|建築費は“価格”より“収益”で判断する
アパート建築は、
-
物件の設計自由度が高く
-
節税・相続対策にも有効で
-
長期安定運用がしやすい
というメリットがありますが、
一方で建築費の見極めと収支設計の甘さが致命傷になりやすい投資でもあります。
建築費を見るときは、**“高いか安いか”ではなく“いくらで建てて、いくらで回収するか”**の視点で判断しましょう。
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