はじめに|「自分でやれば安くなる?」DIYに挑戦する大家が増えています
アパート経営では修繕や原状回復に意外とコストがかかります。
「自分でやれば安く済むのでは?」と考える大家さんも少なくありません。
実際、DIYによって数十万円単位で費用削減できるケースもある一方で、時間や品質、法的リスクといったデメリットもあります。
この記事では、アパート経営におけるDIYの可否、メリット・デメリット、向いている作業と注意点を解説します。
1. アパート経営におけるDIYとは?
意味 | 解説 |
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DIY(Do It Yourself) | 外注せず、オーナー自身が修繕や作業を行うこと |
アパートでの対象 | クロス張替え、床貼り、ペンキ塗り、水回り部品交換など |
✅ 自主管理や築古物件のオーナーが**“コスト削減”や“空室改善”を目的に取り組むことが多い**です。
2. DIYのメリット
✅ ① コストが抑えられる
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クロス張替え業者:1室5万円 → 自分でやれば材料費1万〜2万円程度
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給湯リモコンの交換:工賃1.5万円 → 自作で数千円に
✅ ② 作業スケジュールを自分で決められる
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業者の空き待ちをせず、即対応・即完成できる
✅ ③ 愛着・物件理解が深まる
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自分で床下・壁の中を見ることで、“物件の構造”がわかるようになる
3. DIYのデメリット・リスク
リスク | 内容 |
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品質のばらつき | 雑な施工だと入居者クレームや家賃下落の原因に |
時間コストがかかる | 土日や夜間に作業 → 1部屋仕上げるのに何日もかかることも |
法律違反になる場合も | 電気工事やガス工事などは資格が必要/無資格での施工は違法&危険 |
修繕履歴として残らない | 自分でやった工事は「業者保証」がつかない(売却時に不利になることも) |
4. DIYに向いている作業・向かない作業
✅ 向いている作業(簡単/安全)
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クロス貼り替え(DIYキットあり)
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フロアタイル・クッションフロアの敷設
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網戸・ドアノブの交換
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ペンキ塗装(木部・外壁補修)
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キッチン水栓・シャワーヘッドの交換
❌ 向かない作業(資格/専門性が必要)
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エアコン設置・取り外し
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電気配線・コンセント交換(電気工事士資格必須)
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給湯器設置・ガス工事(ガス機器設置資格が必要)
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防水工事・屋根工事(高所作業/保証がないと危険)
5. DIYを成功させるための3つのポイント
✅ ① 作業前に「収支計算」をしてみる
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材料費+工具代+自分の労力=**外注より安くなるか?**を試算
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例:クロス貼替→工具・時間・ミス含めると意外と割高なケースも
✅ ② 作業は動画・本・講座でしっかり学ぶ
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YouTubeのプロDIYチャンネルや「DIYアカデミー」などの短期講習を活用
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施工不良による再修繕は二重コストになる
✅ ③ 作業写真を撮って“記録”を残しておく
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入居者への説明/修繕履歴の証明/将来の売却時にも有効
まとめ|DIYは“収益改善の手段”のひとつ。無理せず、うまく活用しよう
アパート経営において、
✅ DIYはコストカットにも、空室改善にも役立ちますが
✅ 安易な施工や法的リスクを無視した作業は逆効果です。
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時間・品質・収支のバランスを見極めて
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プロと分業する視点で“自分にできる範囲”を見つける
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自信がついたら、少しずつDIYの幅を広げていく
「儲けたいなら、自分でやる」ではなく、「儲かる設計の中でDIYを活用する」が正解です。
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