はじめに|「土地があるけど活用方法に迷っている」
相続や購入などで土地を所有している人にとって、アパート経営は有力な活用方法のひとつです。
ただし、建物を建てれば自動的に収益が得られるというほど簡単ではなく、土地ならではのメリット・注意点があります。
この記事では、土地を所有している方がアパート経営を始める際の利点、検討すべきポイント、注意すべきリスクとその対処法を解説します。
1. 土地ありアパート経営のメリット
✅ メリット①:土地取得コストが不要
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一般的に土地は物件価格の30〜50%を占める
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その部分が不要になることで、初期投資が大幅に抑えられる
✅ メリット②:融資が通りやすくなる
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担保となる土地がすでにあるため、融資審査で有利
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自己資金が少なくても、フルローン・低金利で借りられる可能性あり
✅ メリット③:地価上昇・土地活用の柔軟性がある
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アパート以外の活用(駐車場、戸建賃貸、太陽光など)も選択可能
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将来売却時に土地分の価値が残る
✅ メリット④:相続対策としても有効
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土地をそのまま持つより、賃貸住宅を建てて貸すことで相続税評価が下がる
2. 土地ありで始める場合の注意点
❗ 注意①:その土地にアパートが建てられるとは限らない
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用途地域・建ぺい率・容積率・接道義務など、建築可能かを事前に確認
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高低差・地盤・インフラ整備の有無も要注意
❗ 注意②:建築費は決して安くない
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木造2階建てでも、建築費用は3,000万〜5,000万円以上
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設備仕様・施工会社によって差が大きいため相見積もりは必須
❗ 注意③:利回りが悪くなりやすい
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新築アパートは建物価格が高く、利回り6〜7%台になることも
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高利回り=収益性重視なら、中古アパート検討も視野に
❗ 注意④:自己使用・相続人との共有に注意
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現在の土地が自宅兼用・相続未分割・親名義の場合、建築・融資に影響が出る
3. 土地活用でアパート経営を成功させるコツ
✅ コツ①:事業計画を数字で確認(利回り/CF/修繕費)
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表面利回りだけでなく、実質利回り・キャッシュフローを重視
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修繕・空室・金利上昇も織り込んだ試算が必要
✅ コツ②:複数の建築会社・プランを比較する
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建物価格・設備・提案内容を比較して、コスパと収益性のバランスを取る
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「建てたら満室になります」系の営業トークには注意
✅ コツ③:融資先は地銀・信金・政策金融公庫も含めて検討
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土地所有者は担保力があるため、複数行で好条件を引き出せる
4. 他の活用方法との比較
活用方法 | 初期投資 | 収益性 | 柔軟性 |
---|---|---|---|
アパート経営 | 高(建築費数千万) | 高い(利回り6〜9%) | 長期保有前提 |
駐車場経営 | 低(整地・舗装のみ) | 低い(利回り2〜4%) | 転用しやすい |
太陽光発電 | 中(数百万) | 中(売電価格次第) | 将来性・法規制に注意 |
戸建て賃貸 | 中 | 中(空室リスク低) | 初心者に人気 |
まとめ|土地があるなら“収益化の最適解”を見極めよう
土地を持っている人がアパート経営を始めるのは、
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初期費用を抑えられ
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融資も受けやすく
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節税・相続対策にもつながる
という強みがあります。
一方で、建築費・利回り・運営リスクの把握と、活用方法の比較検討が必須です。
土地を最大限活かすために、アパート経営だけでなく、複数の選択肢と数字で検討する姿勢が成功のカギとなります。
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