目次
はじめに|「あと1戸埋まれば黒字…」その分岐点、正確に知ってますか?
アパート経営で重要なのが、「損益分岐点(ブレークイーブンポイント)」の把握です。
「どの程度の入居率で黒字になるのか?」「どれだけ経費がかかっているのか?」を理解していないと、無意識のまま赤字経営に陥るリスクも。
この記事では、アパート経営における損益分岐点の出し方、黒字化の目安、そして経費の内訳と管理方法をわかりやすく解説します。
1. 損益分岐点とは?黒字・赤字の境界線
✅ 定義
「収入(売上)=支出(経費)」となるポイント
→ このラインを超えれば黒字、下回れば赤字
✅ アパート経営での損益分岐点
-
家賃収入 − 管理費 − 修繕費 − 税金 − ローン返済 = 0
→ この状態が“損益トントン”のライン
2. 損益分岐点の簡単な計算方法
▶ ステップ①:年間の固定費と変動費を整理
経費項目 | 内容 | 年間費用の目安 |
---|---|---|
管理費 | 家賃の3〜5% | 20万円程度 |
修繕費 | 計画修繕+原状回復 | 20〜30万円 |
火災保険・固定資産税 | 税金・保険 | 10万円前後 |
ローン返済 | 元利均等返済 | 80〜100万円 |
その他 | 税理士・広告費など | 10〜15万円 |
→ 合計支出:約150〜180万円
▶ ステップ②:最低必要な家賃収入を算出
→ 年間240万円以上の家賃収入(=月20万円)で黒字ライン突破!
3. 戸数・家賃別|損益分岐点シミュレーション
1戸あたり家賃 | 戸数 | 黒字に必要な稼働戸数(概算) |
---|---|---|
5万円 | 6戸 | 5戸稼働でギリギリ黒字/4戸なら赤字 |
6.5万円 | 4戸 | 3戸稼働でギリギリ/2戸なら厳しい |
7万円 | 8戸 | 6戸稼働で黒字ライン到達可能 |
✅ 想定利回りと実際の「稼働率」が合っているか確認が必要です。
4. 経費構造を見直すことで“分岐点”を下げられる
見直し項目 | 改善ポイント |
---|---|
ローン返済 | 金利交渉・借換え・返済期間の延長で支出軽減 |
管理委託費 | 管理会社の乗り換え or 委託内容の精査 |
広告費・AD | 必要最小限で成約する仕組みをつくる |
税金・保険 | 節税・減価償却・法人化で課税所得を抑制 |
修繕費 | DIY・定額清掃契約などで平準化する |
5. 損益分岐点を把握することで得られる3つのメリット
✅ ① 家賃設定の判断が明確になる
→ 収支トントンになるラインを基準に、
「これ以上は下げられない」が分かる
✅ ② 空室対策の“緊急度”が把握できる
→ 「あと1戸空いたら赤字」なら早急に募集対策を
✅ ③ 売却 or 継続の判断材料になる
→ 分岐点を超えられない物件は“売却判断”の目安にもなる
まとめ|「損益分岐点」は経営者の基本。把握してこそ利益が残る
アパート経営では、
✅ 何戸空いたら赤字なのか?
✅ 家賃をいくら下げても耐えられるのか?
✅ 経費をどう抑えれば黒字に転じるのか?
これらを“経営者として理解しておくこと”が成功の鍵です。
損益分岐点を明確に把握すれば、ブレずに利益を残せる運営ができます。
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