目次
はじめに|「いくらあれば始められる?」を明確にしよう
アパート経営を始めたいけれど、
✅ 総額でいくら必要なのか?
✅ 自己資金はどこまで準備すればいいのか?
✅ 購入後にどんな出費があるのか?
…と不安や疑問を抱える方は多いはず。
この記事では、アパート経営に必要な予算の全体像を「物件価格・初期費用・運営資金」の3構造に分けて解説し、あなたの投資スタートを現実的にシミュレーションできるようにします。
1. アパート経営の予算は「購入時」と「購入後」で構成される
フェーズ | 主な内容 | 予算の目安 |
---|---|---|
購入時(初期費用) | 物件価格・諸費用 | 総投資額の110〜120%程度 |
購入後(運営費) | 修繕・広告・空室損・税金など | 年間家賃収入の10〜20%程度 |
✅ 「物件価格だけ見て決める」のはNG。予算は“合計で考える”ことが重要です。
2. 物件価格の目安と利回り別の資金感覚
表面利回り | 家賃(月) | 想定価格(6戸×20㎡) | 想定CF(年間) |
---|---|---|---|
10% | 20万円 | 約2,400万円 | 約50〜70万円(税引前) |
7% | 25万円 | 約4,300万円 | 約50万円前後(経費多) |
5% | 30万円 | 約7,200万円 | キャッシュが残りにくい構造 |
✅ 利回りが下がるほど“資金規模が大きく”なり、自己資金と借入額が膨らむ点に注意。
3. 初期費用の内訳(購入時にかかる費用)
項目 | 内容 | 費用目安(物件価格2,000万円の場合) |
---|---|---|
仲介手数料 | 業者への手数料(最大3%+6万円) | 約72万円 |
登記費用 | 所有権・抵当権の登録費用 | 約20万円 |
融資手数料 | 銀行・保証会社への支払い | 約10〜30万円 |
火災保険 | 初年度分 or 2〜5年一括払い | 約5〜10万円 |
印紙税 | 契約書に貼付 | 2〜6万円 |
修繕・リフォーム費用 | 事前に必要な軽微な改修 | 約50万円〜(状況次第) |
合計目安 | 諸費用合計 | 約150〜200万円前後 |
4. 運営資金(運転資金)の構成と予算
項目 | 説明 | 年間目安 |
---|---|---|
修繕費 | 設備交換・原状回復・定期点検 | 10〜30万円 |
空室損 | 空室1〜2ヶ月分 × 戸数 | 10〜20万円 |
広告費(AD) | 入居募集時の費用 | 5〜15万円 |
管理費 | 家賃×3〜5% | 10〜20万円 |
税金・保険 | 固定資産税・火災保険 | 10〜30万円 |
✅ 年間50万〜100万円程度の“現金バッファ”があると安心です。
5. 実例|総予算シミュレーション(築古アパートの場合)
-
物件価格:2,000万円(表面利回り10%)
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初期費用:200万円(諸費用・登記・保険)
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運転資金:100万円(修繕・空室・広告費など)
→ 必要な総予算:約2,300万円(融資1,800万円/自己資金500万円)
6. 予算設計で注意すべき3つのポイント
✅ ① 「買った後」に現金が残るか?
→ フルローンで初期費用・修繕費も借りてしまうと、空室や税金に対応できなくなる
✅ ② キャッシュフローを先に設計してから物件を選ぶ
→ 家賃 − 経費 − 返済 = 月5万円以上の手残りが残る設計が理想
✅ ③ 長期視点での修繕・税金も予算に含めておく
→ 築20年超なら外壁・給湯器・防水など10年で100〜200万円の出費を想定しておく
まとめ|“予算=物件価格”ではない。総合設計が経営の鍵
アパート経営を始める前には、
✅ 物件価格
✅ 初期費用
✅ 運転資金(購入後の備え)
この3つを“まとめて設計”することが、安心かつ安定した経営への第一歩です。
「買える」ではなく「持ち続けられる」予算設計を。
その視点で、あなたの理想的な不動産投資プランを描きましょう。
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