目次
はじめに|利回りは「買う前」から「売却後」まで使える最重要指標
アパート経営で「この物件は儲かるのか?」を見極めるには、利回りの計算が欠かせません。
ただし、ネットでよく見る「表面利回り」だけでは不十分で、実質的な利益を把握するためには、正確な計算とシミュレーションが必要です。
この記事では、初心者の方でも迷わず使える利回りの計算方法と、収益性を判断するためのシミュレーション手順、エリア別平均利回りの活用法までわかりやすく解説します。
1. 表面利回りと実質利回りの違いをおさらい
▶ 表面利回り(グロス利回り)
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計算がシンプルで比較用に便利
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管理費・空室・修繕などの支出は含まれない
▶ 実質利回り(ネット利回り)
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実際の収支に近い指標
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管理費・固定資産税・修繕費・空室損・保険料などを考慮する
2. 実際に利回りを計算してみよう|シミュレーション例
▶ ケース:中古アパート購入時の収支例
項目 | 金額 |
---|---|
物件価格 | 2,000万円 |
年間家賃収入 | 180万円(満室時) |
管理費・修繕費 | 年間25万円 |
固定資産税・保険 | 年間10万円 |
初期費用(登記・仲介など) | 150万円 |
▶ 表面利回りの計算
▶ 実質利回りの計算
3. 実質利回りを左右する「支出項目」を洗い出そう
利回り計算の“落とし穴”は、支出の見落としです。下記の項目は実質利回り計算に必須です。
支出項目 | 内容 |
---|---|
管理費 | 家賃の3~5%が目安(管理委託時) |
修繕費 | 年間10〜30万円想定(築年数による) |
空室リスク | 稼働率90%などでシミュレーション |
保険料 | 火災保険・地震保険など |
固定資産税 | 物件価格により年10〜30万円前後 |
AD・仲介手数料 | 新規契約時の経費(家賃1ヶ月分など) |
4. 利回りシミュレーションに使える便利な計算式
▶ 月額家賃からの逆算式
▶ 空室率を加味する式
🟡 稼働率90%でシミュレーションしておくと、空室が出ても慌てません。
5. 地域別・構造別の平均利回りを知ろう
以下は代表的なエリア別・構造別の表面利回りの平均目安です。
地域・構造 | 表面利回り(目安) |
---|---|
東京都心RC | 4.5〜6.0% |
首都圏郊外木造 | 7.0〜9.0% |
地方都市中古木造 | 10.0〜15.0% |
※実質利回りはここから2〜3%マイナスが一般的です。
6. 利回りを比較する際の3つの注意点
① 表面利回りだけで判断しない
→ 諸経費を含めた実質利回りで比較する
② エリアの需要(空室率)も見る
→ 高利回りでも「誰も住まない」物件では意味がない
③ 出口(売却)のしやすさも検討する
→ 利回りが高くても売れにくいエリアは資産として不利
まとめ|利回りは「買う前の最重要チェックポイント」
利回りはアパート経営における収益性のモノサシです。
ただし、「表面利回りが高い=儲かる」とは限らないため、実質ベースでシミュレーションすることが重要です。
計算式をマスターして、自分の投資スタイルに合った物件かどうか、冷静に見極めましょう。
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