はじめに|なぜ「利益」だけを見てはいけないのか?
多くの経営者や投資家が「利益額」ばかりに注目しますが、
実はそれだけでは会社の本当の状態は見えません。
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利益が黒字でもキャッシュ不足で倒産
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キャッシュが潤沢でも赤字で成長中
そんなケースは現実にたくさんあります。
そこで大事になるのが
フリーキャッシュフロー(FCF) です。
フリーキャッシュフロー(FCF)とは?
簡単にいうと、
「自由に使える現金」のこと
です。
会社が本業で得たキャッシュから、
設備投資などの必要支出を差し引いた後に
「自由に使えるお金」がどれくらい残るか?
これを示す指標です。
FCFの計算式
例:
営業キャッシュフロー 1億円 − 設備投資 3000万円
= フリーキャッシュフロー 7000万円
この7000万円が、
・借金返済
・株主への配当
・新しい投資
など自由に使えるお金です。
フリーキャッシュフローと利益の違い
比較項目 | フリーキャッシュフロー | 利益(損益計算書) |
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基準 | 現金ベース | 会計上の数字ベース |
減価償却 | 現金支出なしでも影響しない | 費用として減算される |
タイムラグ | ない(即現金) | ある(売上計上・入金ズレ) |
実態把握 | 実際に使える資金がわかる | 会計上の業績だけ |
具体例
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利益が出ているが、入金遅れや過剰在庫でキャッシュ不足
→ フリーキャッシュフローがマイナスになる -
利益は赤字でも、売掛金回収や資産売却でキャッシュプラス
→ フリーキャッシュフローはプラスになる
なぜ投資家はフリーキャッシュフローを見るのか?
投資家は「会社にどれだけ自由な現金があるか」を重視します。
なぜなら、
キャッシュが多い会社は、
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安定して配当ができる
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倒産リスクが低い
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将来の成長投資ができる
からです。
「利益が出ていてもキャッシュがなければ意味がない」
これがプロの目線です。
フリーキャッシュフローを見るときの注意点
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設備投資が一時的に膨らんでマイナスでも、成長戦略ならOK
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営業キャッシュフローが赤字続きなら要注意
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1年だけでなく3〜5年平均で見るのがベター
単年だけで判断せず、
中長期の流れを把握することが重要です。
まとめ|フリーキャッシュフローで本当に強い会社を見抜こう
これから会社の財務を読むなら、
「利益」だけではなく「キャッシュフロー」 に注目しましょう。
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現金ベースで健全な経営ができているか
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成長投資後にキャッシュが残る体質か
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倒産リスクは小さいか
フリーキャッシュフローは、
「会社の生命線」 を表す重要な指標です。
投資家目線でも、経営者目線でも、
これからは「FCF重視」でいきましょう!
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