はじめに|「管理に使う車、経費にしてもいいの?」
アパート経営をしていると、物件の巡回、修繕立ち会い、入居者対応などで車を使う場面は意外と多いものです。
そこで気になるのが、「この車、経費にできるの?」という疑問。
結論から言うと、業務に使っていれば車は経費にできます。
ただし、プライベート利用との線引きや、正しい処理をしないと税務上トラブルになることも。
この記事では、アパート経営で車を経費にできる条件、按分の考え方、節税メリットと注意点を解説します。
1. 車は「業務に使っていれば」経費計上が可能
✅ 経費にできる条件はシンプル
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アパートの管理・運営・視察・修繕対応などに使用していること
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業務と関係のある使い方が明確に証明できること
✅ 経費になる主な費用
項目 | 内容 |
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燃料代 | ガソリン・軽油代(レシート保存が必要) |
駐車場代 | 月極や現地近隣の一時利用もOK |
車検・整備費 | オイル交換・タイヤ・法定点検など |
自動車保険料 | 任意保険のうち業務割合に応じた部分 |
自動車税・重量税 | 資産として登録されていれば按分可能 |
車両本体(購入費) | 減価償却で数年にわたって経費計上 |
2. 按分(業務使用割合)での処理が原則
▶ なぜ按分が必要?
個人名義の車を使う場合、完全に業務のみ使用している人はほとんどいません。
そのため、業務で使った割合(按分)を出して、その分だけ経費に計上するのが原則です。
▶ 按分の計算例
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月の走行距離:500km
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うち業務使用:200km(管理・現地確認など)
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按分率:200 ÷ 500 = 40%
→ ガソリン代が10,000円なら、4,000円だけ経費計上可能
✅ 按分に必要な記録
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移動日・目的地・用件を記録した走行メモや業務日誌
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領収書(できれば目的地名や日付が書いてあるもの)
🟢 記録がしっかり残っていれば、税務署からの指摘にも対応しやすくなります。
3. 法人名義の車なら100%経費も可能
✅ 条件を満たせばフル経費もOK
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法人名義で購入・リース契約している
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実質的にも業務専用(プライベートで使わない)
この場合は、車両本体・保険・燃料代などすべて経費計上可能です。
❗ ただし、法人で買っても「実質的に使っていない」と判断されると否認のリスクあり
→ 「見た目だけ法人名義」はNG。実態が業務使用であることが重要です。
4. 経費化の際の注意点と落とし穴
❌ 家族や親族が私的に使っている
→ 税務調査でプライベート利用が発覚すれば全額否認+追徴課税の可能性
❌ 記録がないまま按分している
→ 証拠がなければ、“全額私的利用”と判断されるリスク
❌ 購入時に「一括で経費にしたい」と無理に処理
→ 10万円以上の車両は減価償却資産扱い(耐用年数6年が一般)
5. 節税メリットは大きいが「ルールを守って」
車の経費化がうまくできれば、年間数万円〜十数万円の節税効果が期待できます。
しかし、「グレーな処理」は税務調査で否認されやすい項目の一つでもあります。
✅ 安心して経費にするための3原則
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業務使用の証明ができる(記録・領収書)
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私用と分けて按分する(割合を明記)
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税理士に相談して処理を整える
まとめ|「車は経費になる」は本当。でも“使い方次第”
アパート経営において、車は「経費にできる可能性がある」重要な支出です。
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按分して燃料費や保険料を経費化
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車両購入費も減価償却で節税可能
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法人なら100%経費にできる余地もある
その一方で、曖昧な処理は税務リスクが高いため、
記録・根拠・ルールを守った経費計上が鉄則です。
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