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はじめに|「収入は増えたのに、税金で手元に残らない…」そんな人へ
アパート経営は家賃収入が得られる反面、所得税の負担が重くなることもあります。
特にサラリーマン大家や複数物件保有者は、「税金が思った以上に高かった…」と後悔することも。
この記事では、アパート経営における所得税の仕組み・計算方法・節税対策を初心者にもわかりやすく解説します。
1. アパート経営にかかる所得税とは?
種別 | 内容 |
---|---|
所得税 | 国税。所得に応じて累進課税(5%〜45%)で課税される |
住民税 | 地方税。一律10%(自治体により若干差あり) |
✅ アパート経営の利益は「不動産所得」として課税対象になります。
2. 所得税の計算式|収入−経費−控除=課税所得
✅ 税率早見表(所得税)
所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
〜195万円 | 5% | 0円 |
〜330万円 | 10% | 9.75万円 |
〜695万円 | 20% | 42.75万円 |
〜900万円 | 23% | 63.6万円 |
〜1,800万円 | 33% | 153.6万円 |
〜4,000万円 | 40% | 279.6万円 |
超4,000万円 | 45% | 479.6万円 |
✅ 住民税(10%)はこれに上乗せされます。
3. 経費として認められる支出の例
項目 | 経費になる? | 備考 |
---|---|---|
管理費・修繕費 | ○ | 原状回復・軽微な工事はOK |
火災保険料 | ○ | 契約期間分で按分 |
税理士報酬 | ○ | 節税相談や帳簿作成費用もOK |
減価償却費 | ○ | 建物・設備など |
ローン金利 | ○ | 元本はNG、利息部分のみOK |
自宅の費用 | △ | 按分(比率分)のみ可(事務所使用など) |
✅ 経費をもれなく計上することで、所得税・住民税の節税につながります。
4. 節税対策5選|所得税を減らす仕組みをつくる
✅ ① 青色申告で最大65万円控除を狙う
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複式簿記+電子申告でOK
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専従者給与の計上も可能(家族への給与を経費に)
✅ ② 減価償却で帳簿上の利益を圧縮
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建物価格を分割して経費化
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築古アパートほど“短期で償却できる”ので有利
✅ ③ 法人化して税率をコントロール
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所得税の最高税率45% → 法人税なら実効20〜30%に
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節税+資産保全の両立が可能(ただし運営コストは上がる)
✅ ④ 経費計上を正確に・積極的に行う
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領収書・通帳・レシートは保管必須
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会計ソフト(freee・MFクラウドなど)で自動記帳&節税分析
✅ ⑤ 赤字は損益通算 or 繰越で来年以降も節税
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損益通算:給与所得と合算して課税所得を下げる
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繰越控除:3年間赤字を繰り越せる(青色申告限定)
5. よくある失敗とその対策
失敗例 | 対策 |
---|---|
節税対策をせず、思わぬ高額納税に | 減価償却・青色申告・控除の活用を事前に設計 |
書類をなくして経費にできなかった | レシート・領収書は月次で整理&スキャン |
家賃収入の全額に税金がかかると思っていた | 経費と控除を引いた“利益”が課税対象 |
まとめ|「所得税を知ること」が“手残りを増やす第一歩”
アパート経営では、
✅ 家賃収入がある → 税金が発生する
✅ 経費・控除で差し引ける → 税金が減る
✅ 節税を設計できる → 手元にお金が残る
という流れが基本です。
節税は後から考えるものではなく、最初に設計するもの。
その第一歩として、「所得税の仕組み」をしっかり理解しておきましょう。
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