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はじめに|「ネット無料」は空室対策として定番。でも、費用はどう回収する?
近年の賃貸ニーズで常に上位に挙がるのが「インターネット無料」。
入居者サービスの定番となりつつありますが、導入には当然コストがかかり、収支への影響も無視できません。
「導入費用はどれくらい?」「回収には何年かかる?」「本当に元が取れる?」
この記事では、アパート経営におけるインターネット設備の導入費用とその回収見込み、入居率・家賃アップへの影響までをわかりやすく解説します。
1. アパートにネットを導入する方法は2種類
✅ 集中配線タイプ(共用回線を各戸に分配)
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光回線(1本)を建物に引き込み、各戸へLANまたはWi-Fiで配線
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最も一般的/導入コストと回線速度のバランスが良い
✅ 個別契約タイプ(各戸ごとに入居者が契約)
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管理上ラクだが、空室対策や家賃アップ効果は薄い
🟢 入居者ニーズへの対応を重視するなら、オーナー側でネットを“無料提供”する前提で整備するのが有効です。
2. インターネット導入にかかる初期費用とランニングコスト
費用項目 | 内容 | 目安 |
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工事費用 | 回線引き込み・配線・スイッチ・Wi-Fi機器設置など | 1戸あたり3〜7万円(規模・設備による) |
初期設定費 | 通信機器の初期設定・立会い | 一棟数万円程度 |
月額利用料 | プロバイダ料金・保守サービス等 | 一棟5,000〜15,000円/月 |
機器更新費用 | 5〜8年ごとのルーター交換など | 1戸数千円〜1万円(将来発生) |
✅ 例:6戸アパートに導入した場合
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初期費用:6戸 × 5万円 = 約30万円
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月額料金:8,000円(年9.6万円)
3. 回収シミュレーション|家賃アップ or 空室改善で何年で元が取れる?
回収方法 | 内容 | 回収期間(目安) |
---|---|---|
家賃アップ | 月1,000円×6室=年間7.2万円 | 初期費用30万円 → 約4〜5年で回収 |
空室改善 | 1室の空室が1ヶ月早く決まると家賃6万円 | 年2回の改善で12万円 → 3年以内で回収も可能 |
🟢 「家賃を上げずに入居者満足度を高める」という視点でも、コスパの良い設備投資といえます。
4. 経費としての処理と税務上の扱い
✅ 初期費用:資本的支出 or 修繕費
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10万円未満であれば消耗品費として一括経費も可能
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高額な場合は減価償却対象(5年程度)
✅ 月額料金:通信費 or 管理費で経費化
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保守費用・プロバイダ料・電気代など、業務用支出として計上可
✅ 会計処理例(初期費用20万円/5年償却)
5. 導入時に注意すべき点
注意点 | 内容 |
---|---|
建物の配線状況 | 古い物件は配線工事費用が高くなることも |
回線品質 | 安価すぎるサービスは通信速度や保守対応が不安定 |
管理会社との連携 | 入居者からの問合せ窓口は誰が対応するか要確認 |
契約内容 | 最低契約年数・中途解約の違約金にも注意 |
まとめ|ネット導入は「コスト」ではなく「戦略的投資」
アパート経営におけるインターネット導入は、
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家賃アップ or 空室対策
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節税効果のある設備投資
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入居者満足度の向上
を実現できる高コスパの改善策です。
費用・設備・会計処理を正しく把握し、経営戦略の一環として導入を判断しましょう。
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