目次
はじめに|「土地は広い方がいい」は本当?
アパート経営を検討する際、**「どれくらいの土地があればアパートを建てられるのか?」**は、初心者が最初につまずきやすいポイントの一つです。
実際には、「広ければOK」という単純な話ではなく、建ぺい率・容積率・用途地域などの法規制や、事業収支とのバランスが重要になります。
この記事では、アパート経営に適した土地の広さの目安や戸数別の必要面積、注意すべき建築条件と収益の考え方をわかりやすく解説します。
1. アパートを建てるために必要な土地の広さとは?
戸数(目安) | 建築想定 | 最低必要土地面積(目安) |
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4戸(1K×2階建) | 木造アパート | 約80〜100㎡(約25〜30坪) |
6〜8戸 | 木造/軽量鉄骨2階建 | 約120〜150㎡(約35〜45坪) |
10戸以上 | RC3階建など | 約180〜300㎡(約55〜90坪) |
※間取り・駐車場の有無・共用部の設計により変動あり
🟢 戸数が増えるほど、「居室面積+共用スペース+駐車場(地方)」が必要になる
2. 間取り別に見る必要面積の目安
間取り | 一戸あたり専有面積 | 戸数別必要面積の目安 |
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1K(単身用) | 約20〜25㎡ | 6戸 → 建物で約150㎡+ゆとり空間 |
1LDK〜2DK | 約30〜45㎡ | 4戸 → 約200㎡前後必要 |
2LDK〜3LDK | 約50〜70㎡ | 3戸でも300㎡超が必要になることも |
✅ プラスして必要な面積要素
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共用廊下・階段
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ゴミ置場・駐輪場・駐車場(地方物件では必須)
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セットバック(道路幅が狭い土地で必要な場合)
3. 建ぺい率・容積率から逆算する建物の大きさ
用語 | 意味 | 例 |
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建ぺい率 | 敷地面積に対する建築面積の割合 | 60% → 100㎡の土地に60㎡の建物 |
容積率 | 延べ床面積の割合(複数階合計) | 200% → 100㎡の土地に200㎡の建物 |
▶ 建物の最大延床面積の計算式
🟡 用途地域によって上限が変わるため、建てられる規模を確認せずに土地を買うのは危険です。
4. 土地選びで気をつけたい3つの落とし穴
❌ 地形が悪くて有効面積が取れない
→ 三角形・旗竿地などは実質建築可能面積が狭くなる
❌ 駐車場の確保ができない
→ 地方では駐車場が1戸1台分必須なことも
❌ 建築可能でも収益が出ない
→ 「建てられる=儲かる」ではない。利回り・融資・空室率も含めて判断
5. 最適な土地面積は「収益計画ありき」で考える
ステップ | 内容 |
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① 建ぺい率・容積率から建物面積を逆算 | 何戸建てられるかを把握 |
② 家賃相場 × 戸数 で年間収入を計算 | 表面利回りを仮算出 |
③ 建築費・融資返済・経費をシミュレーション | 実質利回りを検討 |
④ 土地価格と利回りのバランスを見る | 高すぎると利回りが悪化する |
まとめ|最適な土地面積は“戸数”より“収益性”で決まる
アパート経営で土地を選ぶときに大切なのは、
✅ 何坪必要か?ではなく、**何戸建てて、どれくらいの収益が出るか?**という視点です。
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建ぺい率・容積率をチェックし
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間取り・階数・戸数から逆算し
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建築費と利回りをセットで判断する
これが、「建てられる」ではなく「儲かる」土地を見極める力になります。
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