はじめに|「現金がないと始められない」は誤解です
「不動産投資=お金持ちがやるもの」と思っていませんか?
実際は、多くの大家が「ローン」を活用してアパート経営を始めています。
うまく資金調達できれば、少ない自己資金でも収益不動産を保有することが可能です。
この記事では、アパート経営におけるローンの仕組み・金融機関の種類・審査の考え方を、初心者向けにわかりやすく解説します。
1. アパート経営のローンとは?住宅ローンとの違い
アパートや賃貸物件の購入に使うローンは、主に「アパートローン(投資用ローン)」と呼ばれます。
比較項目 | 住宅ローン | アパートローン |
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用途 | 自分が住む家 | 他人に貸す収益物件 |
金利 | 低い(0.5〜1.5%) | 高め(1.5〜4.5%) |
審査重視 | 個人の年収・属性 | 物件の収益力+借主の属性 |
借入年数 | 最大35年 | 15〜30年が一般的 |
対象物件 | 居住用のみ | 一棟アパート・区分マンションなど収益不動産 |
2. アパートローンの融資を行う主な金融機関
✅ 地方銀行・信用金庫
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地域密着型で地場物件に強い
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対面での融資相談ができ、初心者にも親切
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自己資金2〜3割が求められるケースが多い
✅ 都市銀行
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規模の大きい物件や法人向けが中心
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個人投資家にはややハードル高め
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審査が厳しく、実績が必要なことも
✅ ノンバンク系(オリックス銀行・イオン住宅ローンなど)
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スピード感があり柔軟な審査
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金利が高め、返済期間が短めな傾向
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フルローン・オーバーローンも可能な場合あり(リスク高)
3. アパートローンの審査で見られるポイント
✅ 審査基準①:借主(あなた)の属性
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年収・勤務先・勤続年数
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保有資産・借入状況
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過去のローン返済履歴(信用情報)
✅ 審査基準②:物件の収益性・担保価値
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表面利回り・実質利回り
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築年数・構造(木造/RCなど)
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土地の評価(路線価・面積・接道など)
✅ 審査基準③:事業計画書・自己資金比率
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購入後のキャッシュフロー試算
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修繕積立・空室リスクの想定
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自己資金は物件価格の1〜2割+諸費用が目安
4. 初心者がやっておきたい資金調達の準備
✅ ステップ①:自己資金をコツコツ貯める
→ 審査通過のためには「現金100万円〜300万円」からスタートするのが一般的。
✅ ステップ②:収支シミュレーションを作成する
→ 金融機関に提出するために、利回り・空室率・経費・返済額などを組み込んだ事業計画書を用意。
✅ ステップ③:複数行に事前相談する
→ 同じ条件でも、金融機関によって評価や融資条件が変わります。早めに関係構築がカギ。
5. 借入における2つのリスクとその対策
❌ リスク①:空室が出て返済が困難になる
🟢 対策:余裕のある返済計画(稼働率80%でも黒字)+修繕積立でリスク分散
❌ リスク②:金利が上昇して返済負担が増える
🟢 対策:固定金利 or 上限付き変動金利を選択+金利リスクの試算をしておく
まとめ|ローンの知識こそ、アパート経営の“スタート地点”
資金調達を制する者が、不動産投資を制します。
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金利や返済年数の違いでキャッシュフローは大きく変わる
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審査対策には“属性”と“物件選定”の両方が重要
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融資が通らない=チャンスを逃すことにも
「借りられるかどうか」ではなく、「借りて返せるか」を軸に計画を立てましょう。
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