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はじめに|「返済期間を短くすれば安心?長くすれば楽?」という悩み
アパートローンを組むとき、多くの人が最初に悩むのが「返済年数をどう設定するか」という問題です。
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20年?30年?35年?
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早く返せば金利負担は減るけど、月々の返済がきつくなる…
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長くすれば余裕は出るけど、総支払額が増える…
この記事では、アパート経営におけるローン返済年数の選び方と、返済期間ごとの収支シミュレーション、物件や戦略に応じた判断基準を解説します。
1. 返済年数の違いがアパート経営に与える影響
年数 | 月々の返済額 | 総返済額 | キャッシュフロー |
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短い(15〜20年) | 高い | 少ない | 苦しい(赤字リスク高) |
標準(25〜30年) | 標準 | 標準 | 安定(最も多いパターン) |
長い(35年) | 低い | 多い | 余裕あり(将来売却にも有利) |
🟢 ポイントは、「月の返済額 < 家賃収入 − 経費」であること。
2. 実際のシミュレーション比較(借入3,000万円/金利2.0%)
返済年数 | 月々返済額 | 総返済額(概算) |
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15年 | 約193,000円 | 約3,470万円 |
20年 | 約151,000円 | 約3,620万円 |
25年 | 約127,000円 | 約3,810万円 |
30年 | 約110,000円 | 約3,960万円 |
35年 | 約99,000円 | 約4,170万円 |
※実際の金利・元利均等方式により差あり
3. 返済年数は「戦略」と「物件タイプ」で変わる
タイプ | 推奨年数 | 理由 |
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築浅・RC物件 | 長め(30〜35年) | 耐用年数も長く、キャッシュフロー重視 |
築古・木造物件 | 短め(15〜25年) | 修繕リスクあり/短期で償却・売却前提 |
法人保有 | 長期でも可 | キャッシュ重視/法人税対策にも有利 |
売却前提の短期保有 | 短め(10〜20年) | 金利負担を抑え、出口で利益確定狙い |
4. 返済期間の決め方で押さえるべき3つの軸
✅ ① キャッシュフローに無理がないか?
→ 月の返済額を家賃収入の50〜60%以内に抑えると安心
✅ ② 減価償却と返済のタイミングを揃えるか?
→ 減価償却が終わったタイミングでローンも終了すると、税負担と返済のダブルパンチを避けられる
✅ ③ 自分の年齢とライフプランに合っているか?
→ 定年退職・子どもの進学・セミリタイアなど、将来のライフイベントと支払い年数を調整
5. 「返済期間を短くする=正解」とは限らない理由
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短くすれば利息は減るが、月の負担が重すぎてキャッシュが回らない
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長くしても繰上げ返済や借換えで柔軟に対応できる
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返済が続く=節税効果も長く活かせる
🟢 初心者ほど「まずは長め」で借りて、余裕があれば繰上げ返済で調整するのが無難
まとめ|返済年数は「物件」「戦略」「人生設計」で選ぶ
アパートローンの返済年数は、単に「早く返せば安心」という話ではありません。
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長く借りてキャッシュを厚く持つ
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修繕や空室にも耐えられる設計にする
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税金・減価償却・将来設計と合わせて考える
これらを総合的に見て、自分にとって**「返しやすく、利益も出る返済年数」**を選ぶことが、成功のカギになります。
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