はじめに|「金利1%の差」で数百万円変わる世界
アパート経営では、物件の価格や家賃収入ばかりに目が行きがちですが、“金利”の違いが収益性を大きく左右します。
たとえば金利1%の差は、3,000万円の借入・30年返済で、総支払額が500万円以上も変わることも。
この記事では、アパートローンにおける金利の種類、仕組み、交渉のポイント、金利を抑える具体策をわかりやすく解説します。
1. アパートローンの金利の仕組みとは?
✅ 金利の種類
種類 | 特徴 |
---|---|
固定金利 | 契約時の金利が返済終了まで変わらない(安心だがやや高め) |
変動金利 | 市場金利に応じて見直される(低めだが将来上昇リスクあり) |
上限付き変動 | 上昇幅に上限あり(例:5年ごと最大+2%)でバランス型 |
✅ 金利はどこが決めるの?
主に金融機関が独自に設定しており、以下の要素で決まります:
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借主の属性(年収・勤続年数・信用情報)
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物件の収益性と担保評価
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借入年数と借入額
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市場金利動向(短期プライムレート等)
2. 金利が経営に与えるインパクト
▶ シミュレーション:3,000万円の借入/30年返済
金利 | 毎月返済額 | 総返済額 |
---|---|---|
1.5% | 約103,000円 | 約3,720万円 |
2.5% | 約118,000円 | 約4,250万円 |
3.5% | 約134,000円 | 約4,820万円 |
🟢 金利1%上がるだけで、月1〜2万円の手残りが減少&500万円近い支払い増加になることも。
3. 金利を抑えるための交渉と事前準備
✅ 方法①:事前に属性を整えておく
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年収を上げる(600万円以上が一つの目安)
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他の借入を減らす(マイカーローン・カードローン)
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クレジットの延滞歴がないかCICで事前確認
✅ 方法②:金融機関を比較・交渉する
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地銀・信金・ネット銀行などで複数見積もり
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「他行で○%と言われている」と交渉材料に
🟢 不動産会社を通さず、自分で交渉した方が下がるケースも
✅ 方法③:団信や保証料を外す/借入期間を短くする
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団体信用生命保険を外す(その代わりに個人で保険加入)
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返済期間を短くすることで、金利が下がることも
4. 金利タイプの選び方|初心者は固定?変動?
タイプ | 向いている人 |
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固定金利 | 長期保有前提/安定重視派 |
変動金利 | 短期売却予定/金利リスクに強い |
上限付き変動 | 初心者向けのバランス型/“想定外”を避けたい人 |
5. 将来の金利上昇に備えてできること
✅ 空室・修繕時でも耐えられるキャッシュフローを確保
→ 利回り10%以上 or 経費を抑えて、返済に余裕を持たせる
✅ 複数物件で「金利バランス」を取る
→ 1棟目は固定、2棟目は変動など、全体リスクを平準化
✅ 金利が上がる前に「借換え」を検討
→ 3年目以降など、信用がついたタイミングで低金利・好条件へ再交渉
まとめ|金利は“静かなコスト”こそ、最も経営に効く数字
アパート経営において金利は「目立たないけれど、最も重たいコスト」です。
だからこそ、
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金利を比較・交渉する習慣をつける
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経営シミュレーションで“最悪の金利”を想定する
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自分に合った金利タイプを選ぶ
これらを意識することで、堅実なローン運用と安定した経営が可能になります。
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