目次
はじめに|「毎月なにかと出費がある…」それ、維持費かも?
アパート経営をしていると、毎月さまざまな出費が発生します。
「なんで家賃が入ってもあまり残らないの?」という方は、維持費・共益費の仕組みと負担構造をきちんと理解することが重要です。
この記事では、アパート経営にかかる維持費と共益費の内訳、オーナーが実際に負担している費用の実態と、経費としての扱いや節約のポイントを解説します。
1. 維持費とは?共益費とは?用語の違いを整理
用語 | 意味 | 誰が負担する? |
---|---|---|
維持費 | アパートを維持・管理するための費用全般 | オーナー(経営側) |
共益費 | 共用部の電気・清掃・水道など入居者が使う費用 | 入居者(家賃と一緒に徴収) |
✅ 共益費は入居者が支払うものですが、それだけでは維持費をまかなえないことが多いです。
2. 維持費の内訳と目安
項目 | 内容 | 年間目安(6戸アパート) |
---|---|---|
清掃費用 | 共用部の日常清掃・ゴミ置き場の管理 | 6万〜12万円 |
共用電気代 | 階段照明・センサーライトなど | 3万〜6万円 |
給水ポンプ点検・貯水槽清掃 | 法定点検や安全管理 | 2万〜5万円 |
消防設備点検 | 消火器・警報機などの法定点検 | 1万〜3万円 |
植栽・除草 | 年数回の整備・草刈り | 2万〜5万円 |
その他修繕 | 外壁・鉄部塗装・配管交換など | 年間平均10万〜30万円 |
✅ 年間合計:おおよそ20〜50万円程度の維持費がかかることが一般的です。
3. 共益費の取り扱いと注意点
✅ 共益費の項目例(入居者負担)
-
共用部電気代
-
ゴミ収集費用
-
水道(共用部散水用)
-
インターホン・防犯灯維持費
-
インターネット使用料(Wi-Fiなど)
✅ 共益費をどう設定する?
-
家賃と分けて「共益費5,000円」など明示する(合算より効果的)
-
管理費とのバランスに注意(あまり高すぎると敬遠される)
-
使い道を説明できるようにしておくとトラブル防止に
4. 維持費は経費になる?節税への影響は?
経費区分 | 内容 | 節税効果 |
---|---|---|
修繕費 | 10万円未満 or 継続性あるもの | 全額その年の経費に |
設備更新 | エアコン交換など20万円以上 | 減価償却対象(数年で分割計上) |
清掃費・点検費 | 管理費としてそのまま経費に | ◎ |
共用電気・水道 | 水道光熱費として処理 | ◎ |
✅ 経費処理のルールを守れば、維持費はすべて「経営に必要な支出=経費」になります。
5. 維持費を抑える工夫と見直しポイント
工夫 | 内容 |
---|---|
清掃の頻度見直し | 週2 → 週1に減らすだけでも年間数万円カット |
センサーライト導入 | 共用部の電気代削減に効果的 |
法定点検をパック契約に | 年1回まとめて依頼でコスト圧縮 |
植栽をローメンテナンス化 | 防草シート・玉砂利などを活用して管理手間を削減 |
まとめ|維持費のコントロールが“収益の差”を生む
アパート経営は、
✅ 家賃収入を増やすだけでなく
✅ 出ていくコスト=維持費を“どう抑えるか”が利益に直結します。
-
まずは維持費と共益費を明確に把握し
-
経費として適切に処理し
-
定期的に見直して“コストの最適化”を図りましょう。
「家賃は変えられない」でも「維持費は変えられる」。
これが収益改善の第一歩です。
コメント