目次
はじめに|「アパート経営って毎月いくら稼げるの?」
「家賃収入が月30万円あれば理想的」──アパート経営を目指す方の中には、そんな目標を持つ人も多いでしょう。
しかし、実際に“月の収入=手取り”ではないことをご存じでしょうか?
この記事では、アパート経営における月収モデルを、収入と支出の構造に分けて解説し、初心者が気をつけるべきポイントも整理します。
1. アパート経営における「月収」とは?
用語 | 内容 |
---|---|
家賃収入(月額) | 入居者から得られる家賃の合計額 |
月次キャッシュフロー | 家賃 − 経費 − ローン返済 → 実際の“手取り” |
不動産所得(月割) | 年間の所得を12で割ったもの(税務上の利益) |
✅ 最もリアルな利益感覚は「月次キャッシュフロー」=手残り現金です。
2. 代表的な月収モデル|3パターンで比較
▶ ケース①:中古アパート(利回り10%)
-
価格:2,000万円/家賃収入:月16.6万円
-
管理・修繕:−3.5万円
-
ローン返済(元利均等20年):−8.2万円
→ 月の手残り:5万円前後
▶ ケース②:新築アパート(利回り6.5%)
-
価格:7,000万円/家賃収入:月38万円
-
経費(管理・広告):−7万円
-
ローン返済:−28万円
→ 月の手残り:3万円前後
▶ ケース③:区分マンション(利回り5%)
-
価格:2,500万円/家賃収入:月10.5万円
-
管理費+修繕積立金:−2.8万円
-
ローン返済:−8万円
→ 月の手残り:▲0.3万円(=赤字)
✅ 表面利回りが高くても、経費とローン次第で手取りは大きく変わります。
3. 月収に影響する主な支出項目
項目 | 月額目安 | 解説 |
---|---|---|
管理費 | 家賃の3〜5% | 管理会社へ支払う |
修繕・清掃費 | 1戸あたり月2,000〜3,000円程度 | 共用部・簡易修繕など |
広告費(AD) | 募集時に一時的/2ヶ月分前後 | 月割で積立てると安心 |
ローン返済 | 金利・年数で変動 | フルローンだと重くなりがち |
税金・保険 | 固定資産税・火災保険など | 年間支払い → 月次で積立計算を推奨 |
4. 月収を増やすためにできること
✅ 空室対策で家賃をしっかり回収する
-
募集条件・写真・ADを見直して早期成約&退去防止
✅ 管理費や経費を最適化する
-
清掃・管理を定額パックに変更
-
相見積もりで修繕費を抑える
✅ 融資戦略を見直す
-
借換えで返済額を下げて月々のキャッシュを改善
-
フルローンよりも“返済比率50〜60%”を目安に設計
5. 「月30万円稼ぐ」ために必要な投資規模は?
利回り | 家賃収入(月) | 必要な投資額(目安) |
---|---|---|
10% | 月30万円 | 約3,600万円 |
7% | 月30万円 | 約5,100万円 |
5% | 月30万円 | 約7,200万円 |
✅ 月収30万円のキャッシュを目指すには、5,000万〜1億円規模の投資が必要になることも。
まとめ|月収を「多く残す」経営を設計しよう
アパート経営での月収は、
✅ 単なる家賃総額ではなく、
✅ 経費・返済・空室などを差し引いた「手取りキャッシュ」が重要です。
・高利回りの築古アパートで月5〜10万円の手残り
・低利回りでも経費コントロールと満室維持で月30万円も可能
正しく設計し、継続的に改善を重ねれば、“本当に生活に使える収益”が月ごとに積み上がっていきます。
コメント