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はじめに|「家賃保証があれば安心」は本当か?
アパート経営でよく聞く「家賃保証」。
「滞納されても安心」「空室でも家賃が入る」などのイメージがありますが、内容を理解せずに契約すると後悔することもあります。
この記事では、家賃保証の種類・仕組み・よくあるトラブル事例と、大家として知っておくべき注意点・選び方のポイントを解説します。
1. 家賃保証とは?2つの意味を正しく理解しよう
✅ 意味①:家賃保証会社(保証人の代わり)
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入居者が家賃を滞納した際、保証会社が立て替えて支払う制度
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審査に通れば保証人が不要/トラブル時の対応も保証会社が行う
✅ 意味②:サブリース(家賃一括借り上げ)
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管理会社がアパートを一括借り上げ → 空室でも一定の家賃を保証
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ただし、家賃が“相場の80〜90%”に設定されるのが一般的
2. 家賃保証会社を使うメリット・デメリット
メリット | デメリット |
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滞納時に家賃が入る | 保証料は入居者負担だが、審査で入居が遅れる可能性あり |
入居者トラブル時の対応を代行 | 解約時・更新時の手数料が発生することも |
高齢者・外国人なども入居しやすくなる | 立て替えがスムーズでない保証会社も存在 |
✅ 審査の厳しさや対応スピードには保証会社ごとの差が大きいため、選定が重要です。
3. サブリース(家賃一括保証)の仕組みと注意点
項目 | 内容 |
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家賃保証内容 | 毎月一定額の賃料をオーナーに支払う(空室関係なし) |
相場家賃との違い | 通常相場の80〜90%で設定されることが多い |
契約期間 | 30年など長期もあるが、定期見直し・減額条項があることが一般的 |
解約時の制約 | オーナーからの中途解約が難しいことも(解約違約金あり) |
✅ **「空室ゼロで安心」ではなく、「自由に家賃を設定・運用できないリスク」**もある制度です。
4. 実際にあった家賃保証トラブル事例
▶ 事例①:サブリース契約の家賃が一方的に減額された
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家賃8万円→5年後に7万円に引き下げられた
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減額条項が契約書に明記されていたため、拒否できなかった
▶ 事例②:保証会社が滞納立て替えを遅延した
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入居者が滞納→保証会社が“1ヶ月遅れて”振込
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オーナー側は返済資金に困ったが契約上は問題なし
▶ 事例③:退去トラブル時に保証会社が動いてくれなかった
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保証会社が「契約更新していない」として対応拒否
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管理会社との連携不足で対応が遅れた
5. 家賃保証を利用する際に押さえておくべきポイント
チェック項目 | 解説 |
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保証範囲 | 滞納時の立替額/回数/期間制限などを確認 |
更新料・手数料 | 入居者・オーナーの負担/契約期間終了後の継続条件 |
減額条項の有無 | サブリース契約なら必ずチェック(将来の収支に直結) |
解約条項 | オーナーからの解除可否・違約金の有無を明確に |
管理会社との連携体制 | 保証会社と連動してトラブル対応できるか確認する |
まとめ|“家賃保証”はリスクヘッジにもリスクにもなり得る
家賃保証制度は、
✅ 滞納・空室リスクをカバーできる便利な仕組みですが
✅ 内容を誤解したまま契約すると、思わぬ収益ダウンや管理制限に直結します。
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保証会社型 or サブリース型を明確に区別する
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契約書の“減額・解約”条項にしっかり目を通す
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管理会社・税理士と連携して“収支全体”を見たうえで判断する
「安心だから使う」ではなく、“理解して使う”が正解です。
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