── 信じてはいけない節税情報と正しい制度の見極め方
目次
「節税で税金ゼロにできます!」…本当に信じて大丈夫ですか?
SNSやYouTube、セミナー広告でよく目にする「減価償却で節税!」「法人化で税金ゼロ!」といったキャッチコピー。
不動産投資を始めたばかりのサラリーマンや初心者にとって、魅力的に見える一方で、不安も残る言葉ではないでしょうか?
この記事では、そんな「節税に関する誤解」や「うっかり信じてしまいそうな嘘」に注意を促しつつ、安心して使える正しい節税の考え方をお伝えします。
「節税すれば税金ゼロ」は本当か?ネットにあふれる“誇張表現”とは
✅ よくある主張
- 「築古物件なら減価償却で税金ゼロにできる」
- 「青色申告すれば赤字にできて課税されない」
- 「法人化すれば経費をバンバン使えて節税になる」
…確かに、これらの制度には合法的に節税できる側面があります。
ただし、それは制度のルールを正しく理解し、要件を満たした上で初めて成立するものです。
✅ 嘘になりがちなポイント
主張 | 実際のリスク・誤解 |
---|---|
減価償却だけで税金ゼロ | 減価償却には限度があり、売却時に譲渡所得が増える可能性も |
青色申告で無限に赤字計上できる | 赤字計上には要件があり、根拠のない経費は税務上否認される可能性 |
法人化=節税 | 設立・維持コストがかかり、収益が少ないと逆に税負担が増える場合も |
税務署がチェックする“節税リスク”のある行為とは?
税金対策として認められるのは、**「実態に基づく経費や制度利用」**だけです。
もし税務署から「過剰な節税」と判断された場合、追徴課税や重加算税などのペナルティが発生する可能性も。
❌ 注意すべきケース例
- 実際に使っていない物件の管理費を経費として計上
- 家族への給与支払いに業務実態がない
- 通信費や旅行費など、プライベートな支出を経費にしている
- 売却益を隠すために個人間売買を装う
これらは、節税ではなく脱税と見なされる可能性がある行為です。
「本物の節税」は制度に基づいたものだけ
節税には、国が認めた明確な制度があります。
節税制度 | 内容 |
---|---|
減価償却 | 建物部分を年数で分割して経費化する仕組み |
青色申告控除 | 最大65万円の所得控除(帳簿記帳が条件) |
専従者給与 | 家族に給与を支払い経費に(業務実態が必要) |
赤字の繰越控除 | 青色申告で3年間繰越が可能 |
これらの制度は、「帳簿」「領収書」「業務実態」の裏付けがあることが前提です。
信頼できる情報を見極める3つのポイント
✅ ① 税理士が監修・執筆しているか
節税に関する記事や動画は多いですが、税理士が関わっていない場合、法的リスクがある内容になっていることもあります。
✅ ② 国税庁や公的機関の情報と矛盾していないか
国税庁のウェブサイトや、金融庁・中小企業庁などの公的機関の資料と照らし合わせてみましょう。
✅ ③ 「誰にとって得な話か?」を冷静に考える
「無料で節税診断」「法人化すれば年収1,000万円UP」などは、情報提供というより営業トークである場合も少なくありません。
まとめ|節税は「うまい話」に飛びつくより“正しい知識”で守りを固めよう
- 節税は「制度を正しく活用」してこそ成り立つ
- 嘘のような節税話には、誇張やリスクが潜んでいる
- サラリーマンや初心者は、地道な制度活用が最大の防御策
- わからない場合は、税理士や信頼できる専門家に相談を
※本記事は一般的な制度の考え方を解説したものであり、特定の税務判断・申告方法を保証するものではありません。実際の処理については、税理士などの専門家にご相談ください。
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