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はじめに|「どこまで経費にしていいのか分からない…」という不安に答えます
アパート経営を個人で始めた場合、確定申告で「どの支出を経費にできるのか?」が重要なポイントになります。
経費を適切に計上すれば、課税所得が減り、節税につながります。
しかし、誤った計上や曖昧な処理は、税務調査で否認・追徴課税のリスクも…。
この記事では、個人事業主としてアパート経営を行う際の「経費にできるもの/できないもの」を具体例つきで一覧化し、節税に役立つ正しい知識を解説します。
1. 経費にできる支出とは?基本ルールをおさらい
✅ 原則:家賃収入を得るために直接関係する支出は経費
経費になる支出 | ポイント |
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収入を得る目的で使った支出 | 入居者対応・管理・広告など |
領収書・契約書など証拠がある | 書類保存が義務(7年間) |
私的利用と明確に区別できる | 車・通信費・家賃などは按分処理 |
2. 経費にできるもの一覧(個人事業主向け)
項目 | 内容 |
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管理委託費 | 管理会社への委託料・清掃費など |
修繕費 | クロス交換・給湯器・水道設備の修理など |
減価償却費 | 建物本体・設備の資産価値を年数で分割して経費化 |
税理士報酬 | 確定申告や税務相談の費用 |
火災・地震保険料 | 建物・家財の保険(賃貸用) |
広告費 | AD(広告料)、ポータルサイト掲載料など |
交通費 | 視察、管理、修繕立ち会いなど業務移動分 |
通信費 | 管理や入居者連絡用の携帯・ネット(按分) |
事務用品 | 領収書ファイル、PC周辺機器、文房具など業務用途 |
金利(ローン利息) | 元本は対象外/利息部分のみ経費になる |
3. 経費にしにくい・できない支出例
項目 | 理由 |
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自宅の家賃・光熱費 | 明確に業務スペースとして使用し、按分しなければ不可 |
家族への“感謝の食事会” | 私的支出とみなされるリスクが高い |
子どもの学費・習い事代 | 家族の生活費扱いで否認されやすい |
レジャー・観光目的の出張 | “業務に関係ない移動”は経費NG |
政治献金や寄付 | 税務上は損金不算入(寄付金控除の対象は別) |
4. 按分(業務用割合)の考え方と記録の仕方
✅ よくある按分対象
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車(走行距離ベース)
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携帯電話(通話時間または番号)
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自宅兼事務所(使用面積 or 時間)
✅ 記録の工夫で経費にできる幅が広がる
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日付・目的・使用量を記録する「業務日誌」
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領収書には用途・物件名・立ち会い内容などをメモ書きする
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写真やメール履歴を保存しておくのも有効
5. 青色申告と経費の合わせ技で節税力アップ
制度 | メリット |
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青色申告特別控除 | 最大65万円の控除(要:複式簿記・期限内申告) |
青色事業専従者給与 | 配偶者などに支払う給与を経費にできる(事前届出必要) |
赤字繰越 | 赤字を最大3年間繰り越して翌年以降の所得と相殺可能 |
🟢 経費+青色申告のダブル活用で、“利益を圧縮しながら現金は残る”状態を実現できます。
まとめ|経費の判断は「節税」と「信頼性」のバランスで
個人事業主としてアパート経営をするなら、経費計上は節税の基本ツールです。
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「これは経費になるか?」と迷ったら、“家賃収入との関係性”で判断
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曖昧な支出は記録・領収書を添えて根拠を残す
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無理な節税ではなく、“根拠ある経費”で正しく利益を圧縮する
それが、長く続けるための堅実な経営の基本です。
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