原状回復工事といっても、「何を」「どこまで」やるのかは意外と知られていません。
「クロスは全部張り替える?」「床は部分補修で済む?」など、退去前に確認しておきたい疑問はたくさんありますよね。
この記事では、**原状回復工事の対象範囲・工事の流れ・費用の目安(単価表付き)**をまとめて解説します。
原状回復工事とは?
「借りた部屋を退去時に“元の状態”に戻すための工事」のことです。
ただしここで言う“元の状態”とは、入居時のようにピカピカに戻すことではなく、「通常損耗」を除いた状態に戻すことが原則です。
対象となる主な工事項目
工事項目 | 具体的な対応内容 |
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クロス張替え | 汚れ・黄ばみ・破れのある箇所を貼り直す(部分 or 全面) |
床補修・張替え | 傷・剥がれ・凹みの補修や張替え(CF・フローリング) |
水回り清掃 | キッチン・浴室・トイレの水垢・カビ・排水溝洗浄など |
エアコン洗浄 | 内部クリーニング(ヤニ・ホコリの除去) |
建具修繕 | ドアのぐらつき・扉の破損などを補修 |
原状回復工事の一般的な流れ
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見積依頼・現地調査(写真または訪問)
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作業内容と範囲のすり合わせ(どこまでやるか)
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見積確定 → 作業スケジュール決定
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原状回復工事の実施(1日〜数日)
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完了報告 → 引渡し(管理会社や貸主へ)
単価表付き|費用相場の目安(2025年時点)
工事項目 | 単価 or 一式価格 | 備考 |
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クロス張替え | 約1,000〜1,300円/㎡ | 天井含む場合+αあり |
クッションフロア(CF)張替え | 約3,000〜4,500円/㎡ | 接着剤・下地調整費込み |
フローリング補修 | 1箇所 約10,000〜20,000円 | 傷の深さ・範囲による |
ハウスクリーニング | 15,000〜25,000円(1R〜1LDK) | 広さ・汚れ度合いで変動 |
エアコン内部洗浄 | 8,000〜15,000円(1台) | フィルター洗浄含む |
工事の範囲に注意!「やりすぎ請求」を見抜く
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通常使用による日焼けや家具跡 → 原則オーナー負担
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クロス全面張替えの請求 → 実際に汚損のある面のみが妥当なことも
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「一式」表記だけの見積 → 内訳の明記を要求する
→ 国交省ガイドラインでは「必要最小限の工事が原則」と明記されています。
実際の工事日数はどれくらい?
施工内容 | 目安の作業時間 |
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クロス張替え(6畳) | 約3〜5時間 |
ハウスクリーニング | 2〜4時間(1R〜1LDK) |
エアコン洗浄 | 約1時間/台 |
フローリング補修 | 内容により1日以上かかることも |
よくある質問Q&A
Q. 工事は自分で手配してもいいの?
→ 契約に「貸主指定業者のみ」の記載がなければ可能です。
Q. 退去までに間に合わない場合は?
→ 作業スケジュールを前倒しで調整し、貸主に完了報告できれば問題ないことが多いです。
Q. 「見積一式 10万円」は妥当?
→ まずは内訳を出してもらうのが第一歩です。
まとめ|“必要なだけ”の原状回復工事を見極めよう
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工事項目・金額の内訳が明確な業者を選ぶ
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相場と照らし合わせて過剰な工事・費用でないかを確認
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「一式」見積だけで判断せず、ガイドラインを根拠に交渉もOK
知識があるだけで、原状回復工事は“適正価格で納得”できます。
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