原状回復契約書・解約通知・条文例まとめ|失敗しない作成ガイド

自主管理のトラブル事例とその対策まとめ

「原状回復の条文って、どこまで書くべき?」
「解約通知ってどうやって書けばいいの?」

そんな声に応えるべく、この記事では、原状回復に関する契約書の文言・特約・解約通知・念書・覚書の書き方と注意点を、わかりやすく解説します。


原状回復の契約書に必要な記載とは?

原状回復に関するトラブルを避けるには、契約時点で「誰がどこまで、何を負担するか」を明文化しておくことが重要です。

✅ 最低限含めておくべき内容

  • 原状回復の範囲(通常損耗は除く、など)

  • 故意・過失による損傷の責任

  • 敷金による清算方法

  • 解約時の通知義務や手順

  • 特約条項(ハウスクリーニング・クロス全張替えなど)


原状回復に関する契約書文例(基本型)

(原状回復に関する条項)
借主は、退去時において通常の使用により生じた損耗(いわゆる通常損耗)を除き、借主の責任において生じた損傷について、原状回復費用を負担するものとする。

原状回復に必要な費用については、敷金より精算し、不足がある場合は追加で支払うものとする。


特約を設ける場合の文例(クロス・クリーニングなど)

(特約条項例)
借主は、退去時において本物件の壁紙を全面張り替えることに同意し、その費用(実費)を負担するものとする。

また、借主は退去時にハウスクリーニングを実施し、指定業者による作業費用(上限○○円)を負担する。

※上記のような特約は「事前説明」「同意の証拠」が必要。重要事項説明書と併せて提示するのが望ましいです。


解約通知の書き方(テンプレート)

日付:2025年4月10日
貸主名:○○不動産(または個人名)
借主名:○○太郎
物件:東京都港区南青山○丁目○番○号 ○号室
下記の通り、賃貸借契約の解約を通知いたします。
解約日(退去予定日):2025年5月31日
通知日:2025年4月10日(※原則1ヶ月前)
特記事項:
・立会い希望日:2025年5月25日 午前10時
・郵送先:退去後は実家に転送を希望
署名:_________(借主)

念書・覚書のサンプル(トラブル時や合意形成に)

🔹 念書(修繕費用への同意)

私○○は、2025年5月31日退去時において発生した修繕費用(総額87,000円)について、上記明細に基づき原状回復費用として支払うことに同意します。


🔹 覚書(双方合意の記録)

貸主○○および借主○○は、2025年5月31日退去にあたり、原状回復の負担について以下の通り合意する。
・壁紙:通常損耗と認め、借主負担なし
・床の補修:実費20,000円を借主負担とする
・ハウスクリーニング:オーナー負担とする


書面作成時の注意点

  • 内容を曖昧にせず「部位・金額・責任区分」を具体的に記載

  • 双方の署名・押印・日付は必ず入れる

  • 後からトラブルにならないよう、口頭だけで済ませないこと


まとめ|契約書は“トラブル防止の最前線”

  • 原状回復に関する責任は「契約に何を書いたか」でほぼ決まる

  • 特約は同意の記録(サイン・説明)が大前提

  • 解約通知や念書・覚書は「後で言った言わない」を防ぐ最強の味方

トラブルを未然に防ぐのは、書類よりも“記録に残る信頼関係”。その第一歩が、丁寧な契約書です。

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