退去後の原状回復費用をめぐる「未払い」「連絡が取れない」といったトラブルは少なくありません。
本記事では、未払い時の対応ステップ、督促状や内容証明の文例、相談できる窓口など、実務に役立つ知識をまとめました。
よくある原状回復の未払いトラブル
状況 | 対応の考え方 |
---|---|
借主が請求に応じない | 督促状・内容証明郵便で催促 |
連絡が取れない | 電話・書面・メールの記録を残す |
トラブルに発展しそう | 消費者センターや法テラスへの相談も視野に |
督促の基本ステップ
① 軽い催促(メール・電話)
まずは口頭やメールで柔らかく連絡します。
先日ご案内した原状回復費用について、期日が近づいております。お支払い状況のご確認をお願いいたします。
② 書面による督促状(郵送・PDF)
返答がない場合は、以下のような書面を送ります。
督促状 2025年5月10日 山田 太郎 様 以下の原状回復費用が未納となっております。つきましては速やかにご対応をお願い申し上げます。 【物件住所】 東京都〇〇区〇〇町1-2-3 101号室 【金額】 合計:¥87,000(税込) 【支払期限】 2025年5月20日 なお、期日までにご連絡がない場合、内容証明郵便や法的手続きを検討させていただく可能性がございます。 何卒よろしくお願いいたします。 貸主:〇〇不動産 連絡先:〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
内容証明郵便とは?
誰が・いつ・誰に・どんな文書を送ったかを郵便局が証明してくれる送付方法です。強制力はありませんが、訴訟時の有力な証拠になります。
📄 内容証明郵便の文例
内容証明郵便 通知人:〇〇不動産 被通知人:山田 太郎 様 2025年5月31日付けで退去された物件(東京都〇〇区〇〇町1-2-3 101号室)について、 原状回復費用合計87,000円の請求に応じていただいておりません。 つきましては、本書面をもって再度支払いを請求いたします。 支払期限:2025年6月10日 本件に関して誠意あるご対応をいただけますようお願い申し上げます。
法的トラブルになる前に相談できる窓口
窓口名 | 内容 | 連絡先 |
---|---|---|
消費生活センター | 契約トラブルの無料相談 | 局番なし188 |
法テラス | 弁護士・法律相談の窓口 | https://www.houterasu.or.jp |
弁護士会 | 各地で法律相談窓口あり | 都道府県ごとに案内 |
宅建協会・行政 | 不動産トラブル相談 | 各自治体・都道府県のHP |
記録の残し方
- メール・書面でのやりとりを保存
- 支払期限・金額・物件名を明記
- 感情的な言い回しは避け、事実を端的に伝える
まとめ|冷静に段階を踏んで対応を
- 最初はソフトに連絡 → 書面 → 内容証明へとステップアップ
- 証拠を残すことで、万が一の訴訟でも優位に立てる
- 早めに専門家や相談窓口に相談することが安心と回収につながる
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