「自主管理の物件を売却したいけど、“重要事項調査報告書”って出せるの?」
そう疑問に思ったオーナーも多いのではないでしょうか。
分譲マンションや賃貸物件を売却する際、不動産仲介業者や買主から**「重要事項調査報告書」の提出を求められる**ことがあります。
これは物件の管理状態を客観的に確認するための書類であり、管理会社が作成するのが一般的です。
では、管理会社がいない自主管理物件ではどうすればよいのか?
本記事では、自主管理物件を売却する際の注意点と、報告書の作成方法を解説します。
重要事項調査報告書とは?
重要事項調査報告書とは、不動産売買の際に仲介会社が買主に対し交付する「重要事項説明書」に添付される資料のひとつです。
通常、以下の内容が記載されます:
項目 | 内容例 |
---|---|
管理費・修繕積立金の額 | 月額、徴収状況 |
滞納の有無 | 現在の滞納者数・金額 |
管理方式 | 委託 or 自主管理 |
修繕履歴・計画 | 過去の修繕、今後の予定 |
総会開催状況 | 開催日、議事録の有無 |
自主管理では誰が作成するの?
管理会社がいない場合、売主(または管理組合の理事長など)が内容をまとめる必要があります。
これを「自主管理版・重要事項調査報告書」として、買主側へ提示します。
書類がないと売却に不利になる?
✅ はい、売却に影響を与える可能性があります。
- 金融機関の融資審査が通らない
- 買主が不安に感じて購入を見送る
- 売却価格が下がる交渉材料にされる
そのため、情報をきちんと整理して提出できるかどうかが、自主管理物件をスムーズに売却できるかの鍵となります。
自主管理版「重要事項調査報告書」の作成方法
以下のようなフォーマットで、最低限の項目をまとめましょう。
📄 自主管理・重要事項報告書のサンプル項目
項目 | 記載例 |
---|---|
管理方式 | 自主管理(管理会社なし) |
管理組合の設置 | 有(理事長:○○○○) |
管理費 | 月額7,000円/戸 |
修繕積立金 | 月額10,000円/戸 |
滞納状況 | 現在なし(2025年4月現在) |
総会開催 | 年1回(直近:2024年12月) |
修繕履歴 | 2022年:外壁塗装、2020年:屋上防水 |
修繕計画 | 今後5年以内に鉄部塗装を予定 |
💡 書式は自由ですが、なるべく整ったフォーマット(PDF推奨)で提出するのが望ましいです。
よくある相談・トラブル
Q:書き方がわからない場合は?
→ 不動産会社や管理士、司法書士などにスポットで依頼できます。
「自主管理 売却 書類作成代行」などで検索すると対応業者が見つかります。
Q:そもそも売れないと言われた…
→ 一部の不動産会社は、自主管理物件を敬遠することがあります。その場合は、買取業者や投資家向けに販売チャネルを変更するのも一手です。
売却前に準備すべき書類リスト
書類名 | 準備方法 |
---|---|
管理費・修繕積立金の徴収記録 | エクセルや通帳コピーでも可 |
議事録 | 年1回の総会内容など |
修繕履歴のメモ | 工事業者の請求書や写真があれば尚可 |
管理規約(あれば) | 過去に配布された文書を整理 |
まとめ
自主管理物件の売却において、重要事項調査報告書は非常に重要な役割を果たします。
管理会社がいないからといって諦める必要はなく、売主自身が必要情報を整理・記載することで十分に対応可能です。
報告書を整えることで、買主の安心感につながり、高値で・スムーズに売却できる可能性が高まります。
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