「この物件、本当に黒字になるのかな…?」
不動産投資をはじめたばかりの方にとって、いちばん気になるのがキャッシュフローです。
利回りだけを見て安心していても、ローン返済や管理費、空室リスクを加味すると、「実は毎月赤字だった…」ということも。
本記事では、キャッシュフローとは何か、なぜ事前にシミュレーションする必要があるのか、そして具体的な計算例まで、初心者の方でもわかりやすく解説します。
キャッシュフローとは?初心者でもわかる基本
キャッシュフローとは、毎月実際に手元に残るお金のことです。
表面利回りやネット利回りでは見えない、“本当の儲け”を知るために欠かせない指標です。
✅ キャッシュフローの基本計算式
この計算結果がプラスなら黒字、マイナスなら赤字です。
表面利回りが10%あっても、支出が多ければ赤字になってしまいます。
なぜキャッシュフローのシミュレーションが必要か?
不動産投資で失敗するパターンの多くは、**「買ってから気づく」**こと。
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想定より空室が多かった…
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管理費が高くて赤字だった…
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修繕費が毎年かかっていた…
こうした“想定外”を防ぐには、購入前にキャッシュフローをしっかり試算しておくことが何より重要です。
また、銀行の融資審査でも「収支計画」は必須。
事前のシミュレーションがあるだけで、審査の通りやすさにも差が出てきます。
キャッシュフローの計算項目と注意点
キャッシュフローをシミュレーションするには、いくつかの項目を現実的に見積もる必要があります。
項目 | 内容 | 注意点 |
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家賃収入 | 毎月の家賃 | 満室想定だけでなく、空室率も加味 |
ローン返済 | 月々の元利金 | 金利や返済年数によって変動 |
管理費・修繕 | 管理会社や積立金 | 自主管理ならコストを抑えられる |
税金・保険 | 固定資産税、火災保険など | 年間支出を月換算にする |
空室率 | 空室リスクの想定 | 初心者は10%前後が目安 |
キャッシュフローのサンプル事例(簡易版)
ここでは、2つの物件事例をもとに、キャッシュフローをざっくりシミュレーションしてみましょう。
📌 事例1:都内ワンルーム投資(家賃8万円)
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家賃収入:80,000円
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ローン返済:45,000円
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管理費・修繕積立金:8,000円
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固定資産税・保険:5,000円
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空室リスク(10%):▲8,000円
👉 月間キャッシュフロー
= 80,000 − 45,000 − 8,000 − 5,000 − 8,000
= 14,000円の黒字
📌 事例2:中古戸建て投資(家賃5万円・ローンなし)
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家賃収入:50,000円
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ローン:0円(現金購入)
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管理費:なし(自主管理)
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固定資産税・保険:4,000円
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空室リスク(年1ヶ月空室=月4,200円相当)
👉 月間キャッシュフロー
= 50,000 − 4,000 − 4,200
= 41,800円の黒字
👉 このように、同じ不動産投資でも「ローンの有無」や「空室リスクの加味」で手元に残る金額は大きく変わってきます。
投資判断をする上で、事前に“数字で見える化”することが何より大切です。
まとめ|“想定”と“現実”のギャップを埋めよう
キャッシュフローは、見た目の利回りではなく、現実の経済的な収支を見極めるためのものです。
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想定家賃ではなく「空室を含めた収入」で考える
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ローンや修繕費など「長期的な支出」も忘れずに
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少しでも「なんとなく良さそう」で買うのは危険
購入前に数字で冷静に判断する。
それが、安定した不動産経営への最初の一歩です。
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