「この物件、買っても大丈夫かな?」
不動産投資を始めるときに、誰もが最初にぶつかるのが“収支の見積もり”です。
中でも大事なのがキャッシュフローの計算。
でも、いざ計算しようとすると…
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「どの費用を含めればいいの?」
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「エクセルでどうまとめればいいの?」
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「税金や空室リスクってどう扱うの?」
そんな疑問を解決するため、この記事では初心者向けにキャッシュフロー計算の考え方・作り方・具体的な計算例をわかりやすく解説します。
キャッシュフロー計算の基本構造
キャッシュフローとは、収入から支出を差し引いた手元に残るお金のこと。
✅ 計算の基本式はこちら:
この“月間”または“年間”キャッシュフローがプラスかどうかで、「黒字経営かどうか」が見えてきます。
キャッシュフロー計算書の作り方(基本フォーマット)
初心者の方でも、まずは以下のようなシンプルな5項目で十分です。
✅ 計算項目(例:月間)
項目 | 内容 | 備考 |
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家賃収入 | 80,000円 | 満室想定の家賃 |
ローン返済 | ▲45,000円 | 元利均等の支払い額 |
管理費・修繕費 | ▲8,000円 | 管理会社+積立の合計 |
固定資産税・保険 | ▲5,000円 | 年間支出を12ヶ月で割る |
空室リスク | ▲8,000円 | 想定家賃の10% |
👉 キャッシュフロー合計:+14,000円
実例で学ぶキャッシュフロー計算【ケーススタディ】
📌 ケース1:ローンあり・都内区分マンション
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家賃:80,000円
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ローン:45,000円
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管理費+修繕:8,000円
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固定資産税+保険:5,000円
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空室リスク(10%):8,000円
月間キャッシュフロー:
→ 80,000 − 45,000 − 8,000 − 5,000 − 8,000 = 14,000円(黒字)
📌 ケース2:現金購入・戸建て投資
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家賃:55,000円
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ローン:0円(現金購入)
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管理費:0円(自主管理)
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税金・保険:4,000円
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空室リスク(年1ヶ月分):▲4,600円(=55,000 ÷ 12)
月間キャッシュフロー:
→ 55,000 − 4,000 − 4,600 = 46,400円(大幅黒字)
キャッシュフロー計算時の注意点
⚠️ 注意1:空室リスクを忘れない
「満室想定」は危険です。年間で1ヶ月程度の空室は普通に起こりえます。
→ 月換算で約8%〜10%の減額を見ておくのが現実的。
⚠️ 注意2:税金・保険は“月割り”にする
固定資産税や火災保険などは年単位の支出。
計算書に入れるときは「月あたり」に直しましょう。
⚠️ 注意3:修繕費は「突発的支出」に注意
年数が経つと水回りや屋根などの大きな修繕が発生することも。
→ 毎月1万円程度は積立想定しておくと安全です。
よくある質問(Q&A)
Q. エクセルで収支表を作りたいけど難しそう…
→ まずは紙やメモ帳でもOK。収入と支出を箇条書きで差し引きするだけでも十分。慣れてきたら関数(=SUMや=IF)で自動化していけば大丈夫です。
Q. 月に数千円しかプラスにならないのは意味ない?
→ その分、売却益や資産価値が高ければアリ。ただし月数千円の黒字でも、空室や修繕で逆転する可能性があるため、ある程度の余裕を持つことが大切です。
まとめ|数字を出すことで「見えなかった危険」が見えてくる
キャッシュフローの計算は、はじめは面倒に感じるかもしれません。
でも一度フォーマットを作ってしまえば、次の物件検討にもどんどん活かせます。
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利回りだけに惑わされず、「実際に残るお金」を見よう
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税金や空室などの「リアルな支出」を反映しよう
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少しでも不安があるなら、計算して「数字で確認」しよう
キャッシュフロー計算は、不動産投資の最初の“武器”になります。
一棟目の物件を買う前に、まずは電卓を叩くことから始めてみてください。
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