不動産の購入7回は全部3%だった|仲介手数料の交渉が通らない現実
まず、多くの方が知りたいであろう「購入時の交渉」について。結論から言います。ほぼ通りません。
私は不動産を7回購入しています。うち2回は売主から直接購入したため仲介手数料は0円。仲介会社を利用した5回は全て上限の3%+6万円で、値引きできたことは一度もありません。
| 時期 | 物件 | 購入価格 | 仲介手数料(税込) | 著者の実体験 |
|---|---|---|---|---|
| 2019年 | 都内 新築マンション | 5,500万円台 | 0円 | 売主直(建設会社)のため仲介なし |
| 2023年 | 埼玉県東部 築古戸建 | 400万円 | 19.8万円 (400万×3%+6万)×1.1 | 法改正前の400万円以下特例が適用 |
| 2023年 | 埼玉県東部 築古戸建 | 300万円 | 0円 | 売主から直接購入 |
| 2024年 | 埼玉県 区分マンション | 700万円台 | 33万円 上限30万×1.1 | 2024年法改正の800万円以下特例が適用 |
| 2024年 | 埼玉県 区分マンション | 1,000万円 | 39.6万円 (1,000万×3%+6万)×1.1 | フルローンで購入 |
| 2024年 | さいたま市内 戸建 | 1,300万円台 | 約49.5万円 (1,300万×3%+6万)×1.1 | フルローンで購入 |
| 2025年 | さいたま市内 戸建 | 6,900万円台 | 約237万円 (6,900万×3%+6万)×1.1 | オーバーローンに仲介手数料を含めた |
不動産の仲介手数料を値切ると嫌がられる|仲介手数料は不動産会社の唯一の利益
仲介手数料を値切りたい気持ちはわかりますが、仲介手数料は不動産会社にとって唯一の売上です。値引きを求めると、営業担当者の対応が消極的になるリスクがあります。
たとえば1,000万円の物件の場合、仲介手数料は (1,000万円×3%+6万円)×1.1=39.6万円(税込) です。この39.6万円から人件費・広告費・事務所経費を差し引くと、会社の利益はごくわずか。ここからさらに値引きとなると、物件紹介の優先度を下げられても不思議ではありません。
購入時に交渉が通らない3つの理由
- 物件を押さえたい心理:人気物件は他の買主もいる。手数料で揉めている間に物件が売れるリスクがある
- 業務量に見合わない:物件調査・ローン手続き・契約対応と手間がかかる。安い物件ほど手数料も少なく、値引きすると割に合わない
- 良い物件を紹介してもらえなくなる:手数料を値切る客より、満額で払う客に良い物件を優先的に紹介するのは当然のこと
購入で仲介手数料を安くしたいなら交渉ではなく会社選び
7回の購入で学んだのは、購入の仲介手数料は「コスト」として受け入れるしかないということです。
どうしても安くしたい場合は、最初から仲介手数料無料・半額を掲げている会社を利用する方法があります。ただし、こうした会社は売主からも手数料を受け取る両手取引の物件を優先する傾向があり、紹介される物件の選択肢が狭まる可能性があります。
売却は1.5%からさらに30万円引きになった|大手3社とも最初から1.5%
購入とは対照的に、唯一の売却では仲介手数料が上限の半額になり、さらに30万円の値引きまでありました。ただし、自分からは一切交渉していません。
背景として、物件は都内の立地が良いエリアで売却価格は8,100万円台。流動性が高く、仲介会社にとっても激戦区のエリアでした。大手3社とも最初から1.5%を提示してきたのは、3%では他社に取られると各社が判断したからだと思います。こちらから値引きを求めたことは一度もありません。
8,000万円台の売却だからこそ最初から3社に声をかけた
持ち家の売却で金額が大きい取引だったので、1社に任せるのではなく、最初から大手3社に査定と仲介条件の提示を依頼しました。
「安くしてください」とは言っていません。ただ3社に声をかけた。それだけです。
3社とも最初から1.5%を提示した
驚いたのは、3社とも最初から1.5%を提示してきたこと。上限の3%を出した会社はゼロでした。
都内で金額が大きく流動性が高い物件に関しては、最初から仲介手数料1.5%で対応している会社があります。交渉テクニックは不要で、こちらから値引きを求めなくても最初から半額だったのです。
仲介手数料が同じなら販売力で選ぶ|売却価格の差のほうが大きい
3社とも1.5%で横並びだったので、最終的には過去の成約実績と販売戦略の質で1社を選びました。
仲介手数料の差は数十万円ですが、売却価格が1%違えばそれだけで80万円以上の差になります(8,100万円の場合)。手数料の安さより、いくらで売ってくれるかのほうがトータルの手取りに直結します。
不動産の仲介会社が仲介手数料を1.5%からさらに30万円の値引きをしてくれた
売却活動を開始して約1ヶ月で購入希望者が見つかりましたが、指値が入り価格に差額が生じました。最終的には、私が売却価格を調整し、仲介会社も自らの手数料を30万円減額することで成約。仲介手数料は1.5%からさらに30万円引きという結果になりました。
購入希望者から指値が入った
購入希望者から指値(値下げ要求)が入りました。私としてはこれ以上は下げられない。購入希望者の希望額と私の最低ラインに差がある状態でした。
私が金額を調整し、仲介会社も手数料を30万円減額して成約
最終的には、私も多少売却価格を調整し、仲介会社も自らの手数料を30万円減額して、差額を埋める形で成約しました。
仲介会社にとっても取引不成立は最悪の結果です。手数料がゼロになるよりは、減額してでも成約させたほうがいい。そして何より、良い関係を築いていたからこそ、仲介会社が自ら手数料を削って動いてくれたのだと思っています。
もし最初に手数料を強引に値切っていたら、この対応はなかった可能性が高いです。
不動産の仲介手数料は交渉しないほうが結果的に得をする3つの理由
8回の売買経験から、仲介手数料の交渉はしないほうがいいと確信しています。
1. 手数料を削ると仲介会社のモチベーションが下がる
仲介手数料は営業担当者の売上そのものです。手数料を値切られた案件は、当然ながら優先度が下がります。
売却価格が1%違えば数十万円の差。手数料を少し削って節約するより、全力で販売してもらって高く売るほうがトータルで得をします。
2. 不動産仲介会社と良い関係を築くと物件を紹介してもらえる
仲介手数料を値切らずに良い関係を築いておくと、良い物件を優先的に紹介してもらえるようになります。不動産仲介会社にとって、満額で気持ちよく取引してくれる客は大切にしたい存在です。
私のケースでも、良い関係を築いていたからこそ、仲介会社が自ら手数料を30万円減額して取引を成立させてくれました。値切る客に対して、ここまで柔軟に対応してくれるでしょうか。
3. 立地が良く金額が高い物件は相見積もりで1.5%になる場合もある
都内など立地が良く、金額が高く、流動性が高い物件の場合、複数社に査定を依頼するだけで仲介手数料が1.5%になることがあります。私のケースでは大手3社とも最初から1.5%でした。こちらから「安くして」と言う必要はなく、交渉は不要でした。
交渉以外に仲介手数料を安くする方法|相見積もり・売主直売
高額物件の売却は複数社に査定を依頼して条件を比較する
私がやったのは、大手3社に査定と仲介条件の提示を依頼しただけです。値引き交渉はしていません。
結果、3社とも最初から1.5%を提示してきました。都内の好立地で流動性が高い物件だったことが大きいと思います。すべての物件でこうなるわけではありませんが、まず複数社に聞いてみることで条件を比較できます。
交渉以外に仲介手数料を安くする方法
- 仲介手数料無料・半額の会社を利用する:最初から安い会社を選べば交渉不要。ただし物件の選択肢が狭まる可能性がある
- 売主直売物件を探す:デベロッパーや建設会社の直売なら仲介手数料がゼロ。私も新築マンションを売主直で購入し、仲介手数料0円でした
交渉するなら媒介契約の前|言い方・例文・タイミング
私は交渉をおすすめしませんが、それでも交渉したい方のためにポイントだけまとめます。
タイミングは媒介契約を結ぶ前だけです。契約後や申し込み後はほぼ不可能です。
言い方は高圧的にならず、比較検討している事実を伝えるのが自然です。
例文(売却時):「他社さんとも比較検討中ですが、御社の販売実績が良いのでぜひお願いしたいと思っています。仲介手数料についてご相談は可能でしょうか?」
また、都内など立地が良く、金額が高く、流動性が高い物件の場合は、交渉しなくても不動産会社のほうから仲介手数料を1.5%にしてくれるケースもあります。私の売却もそうでした。無理に交渉するより、複数社に相見積もりを取って条件を比較するほうが自然です。
ただし、購入時の交渉は私の実体験では全て3%でした。交渉ではなく最初から仲介手数料無料・半額の会社を選ぶのが現実的です。
よくある質問(FAQ)
仲介手数料の交渉はできる?
法律上は可能です。上限が定められているだけで下限はありません。ただし実際に応じる会社は少数で、私も購入7回は全て3%でした。仲介手数料の法律は 【売買8回で500万円超】仲介手数料の計算方法・相場|実体験で解説 で詳しく解説しています。
値切る客を不動産会社はどう思っている?
歓迎はしません。仲介手数料は営業担当者の売上であり成績評価に直結するためです。高圧的な態度や極端な値引き要求は対応の優先度を下げられるリスクがあります。
仲介手数料を半額にするには?
交渉で半額にするのはハードルが高いです。都内など好立地の高額物件では、複数社に相見積もりを取ると最初から1.5%を提示されることがあります。確実に半額にしたいなら、最初から仲介手数料半額の会社を選ぶのが現実的です。
交渉のベストタイミングは?
媒介契約を結ぶ前が唯一のチャンスです。契約後や申し込み後の交渉はほぼ不可能です。
仲介手数料を安くする方法は?
交渉よりも複数社の相見積もりが確実です。仲介手数料無料・半額の会社を最初から選ぶ方法もあります。
仲介手数料の交渉の言い方は?
「他社と比較検討中ですが、御社のサービスが良いので相談したい」が自然です。高圧的にならず、敬意を持って相談するのがポイントです。
購入時も仲介手数料の交渉はできる?
法律上は可能ですが、現実的にはかなり難しいです。私も購入7回は全て上限の3%でした。購入で安くしたいなら、最初から仲介手数料無料・半額の会社を利用するのが現実的です。
まとめ
- 購入の交渉は難しい:仲介会社を利用した5回は全て上限の3%。値引きできたことはゼロ
- 売却は大手3社とも最初から1.5%だった:都内の好立地・高額物件では交渉なしで半額
- 交渉は一切していない:値引きを求めたことは一度もない
- 販売力で会社を選ぶ:手数料の差より売却価格の差のほうが大きい
- 良い関係が最後に効く:仲介会社が自ら手数料を減額してくれた
- 交渉するなら媒介契約前:それ以降はほぼ不可能
仲介手数料の基本的な仕組みや計算方法はこちらをご覧ください。



